美容室でお客様にカラーをした際に、顔まわりや襟足に色素が残ってなかなか取れない経験をしたことがないでしょうか。敏感肌の人であればカラー剤だけではなく、パーマの薬剤で肌がかぶれるので要注意です。お客様には安全、安心して施術を行い、リピートしていただきたいですよね。
ケミカルで起こる肌へのトラブル防止のプロテクトクリームの役割、使い道や種類、メーカーの選び方、そして注意点をこの記事で紹介します。
Last Updated:2021/6/10
プロテクトクリームの役割と使い道
プロテクトクリームと今まで使用していたコールドクリームとの一番の違いは、カラーやパーマ施術のために開発されたという点です。特にカラーの施術に関しては、髪の毛にクリームが付いてもきちんと毛は染まり、地肌は染まらないのが特徴的です。アルカリカラー、酸性カラー、ヘナに使用可能です。
パーマに関しては薬剤の刺激から緩和する効果があり、パーマ後の独特なかゆみからも軽減できます。
プロテクトクリームの役割と使い道は用途により異なり、カラー時は皮膚にカラー剤が付かないようにする役目があり、パーマ時は薬剤の刺激を緩和させ皮膚トラブルを回避する役割があります。
最近では美容師の手荒れ用にプロテクトクリームを使用して手荒れ対策もしています。専門学校に通っている美容学生さんには情報だけでも知っておくと将来に役立ちますので覚えておきましょう。
新米アシスタントは施術トラブルにつながらないように、お客様に施術する前に説明をしてからクリームを付けましょう。この日々の習慣がお客様のために非常に大切になっていきます。将来スタイリストになったときに気遣いのできる担当者になるはずです。
パーマの前にプロテクトクリームを使用
パーマ前にクリームを使用することによって、頭皮への薬剤刺激から緩和され、施術後の頭皮のかゆみ等が軽減できます。パーマの薬剤塗布の際、頭にタオルターバンを作りパーマ液をつけるときに、おでこからフェイスライン、首回りにプロテクトクリームを付けます。薬剤を含んだタオルが皮膚に刺激を与えるのを防ぐために、忘れずに行いましょう。
ヘアカラーの前にプロテクトクリームを使用
2剤式のカラー(液体タイプのカラー剤)は地肌に対して速く浸透しやすいので、プロテクトクリームをしっかり厚めに塗布しておくことが大切です。フェイスラインからネープまで荒れやすい人にはしっかり付けてあげるのも大事です。
ヘアマニキュアの際に使用する場合の注意点
マニキュアの場合は2剤式のカラーと違い、染毛の仕方が違うので注意が必要です。地肌に付いてしまうとなかなか落ちにくく、付いてしまうとリムーバーで落とさないと落ちません。
マニキュアをする場合はフェイスラインやお客様からみて気になる部分にはしっかりプロテクトクリームをつけましょう。プロテクトクリームを付けなかったことで肌に色素が沈着してなかなか落ちない場合、クレームにもつながりかねないので気をつけましょう。
ヘナにも使える?
ヘナの場合もマニキュアと一緒で、2剤式のカラーと違い、染毛の仕方が違うので注意が必要です。ただマニキュアよりはヘナのほうが地肌に付いてしまっても落ちやすいです(ヘナの会社の種類や施術方法によって異なる)。
マニキュアと一緒で、お客様によってはヘナが残っていると気になるので、フェイスラインや分け目に十分気をつけて施術しましょう。プロテクトクリームを付けなかったことで肌に色素が沈着してなかなか落ちない場合、クレームになることもあるため、注意が必要です。
プロテクトクリームの選び方
選び方のポイントとして、伸びがよく肌に良く馴染み、施術後に拭き取ってもベタベタしないものをおすすめします。無香料・無着色であればニオイに敏感な方にも使用でき、アレルギー対策もできます。
そして商品の値段に対して容量も大容量のものを選びましょう。使用量も考えコスパが大切です。
ミネラルオイル、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、ラネス5、ジメチコン、トコフェノール、グリチルレチル酸ステアリル、BHT、が代表的な成分です。
パッチテストは必要?
各社で出しているプロテクトクリームには使用上の注意で、『ご使用前には必ずパッチテストを行なってください』『お肌に異常が生じていないかよく注意して使用してください』と記載されているので、お客様にアレルギーがないか事前に確認してからクリームを付けましょう。
ちなみに、サボニーズ スーパープロテクトはアレルギーテストを行なった結果、試験中観察した反応は全て陰性で、アレルギー反応を示唆する反応は認められませんでした。
プロテクトクリームを代用する際の注意点
美容室ではプロテクトクリームで対応しますが、自宅でのセルフカラー時にも付けたい方がいらっしゃると思います。そのときの代用品は『ハンドクリーム』です。中でも油分多めのクリームを推奨します。
その理由はカラー剤の成分は油分で、水で油を落とすのは難しいのですが油を油で浮かし落とすのは簡単なのです。ただ市販のハンドクリームを使用する場合に気を付けなければいけないのは、生え際にたっぷり付けると白髪の染まり方が悪くなる場合があるので、付ける量には十分にご注意ください。
美容師御用達のおすすめプロテクトクリーム
サロン専用のおすすめプロテクトクリームを2品紹介します。
美容師御用達、大容量で低価格、クチコミで星の獲得が多く、有名な商品で『サボニーズ スーパープロテクト 保護クリーム』、そして、低価格で多種類のオーガニックでアレルギーもちのお客様にも安心な『レイナカンパニー ミュナスHB クリーム』、美容師目線で使用してみた経験を紹介します。
つっぱった感じやかゆみから頭皮を保護し、何度も繰り返しているカラーやパーマなどで頭皮が敏感な方におすすめです。
メーカー | サボニーズ |
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サイズ | 250g、レフィル500g |
価 格 | 美通販価格(詳細は商品ページでご確認ください。) |
商品番号 | 68713 |
地肌をケアしながら薬剤からの影響を保護します。8種のオーガニックハーブエキス配合、2種類のエコサート認証ハーブエキス配合なので、合成ポリマーやパラベン、紫外線吸収剤、合成着色料、合成香料、シリコーンは配合していません。
たっぷりの保湿成分で、潤いを与えながら肌荒れを防ぎます。クリームを塗った肌なら、油性ペンも簡単に拭き取れます。
メーカー | レイナカンパニー |
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ブランド | ミュナス |
サイズ | 500g |
価 格 | 美通販価格(詳細は商品ページでご確認ください。) |
商品番号 | 114437 |
地肌まで染まらないようプロテクトクリームは必需品
美容室でお客様にカラーをした際に、顔まわりや襟足に色素が残ってなかなか取れない経験をしたことが何度かあります。お客様に不快な思いをさせないためにも、顔まわりや地肌まで染まらないように、美容室で施術の際にはプロテクトクリームは必需品です。
クリームを使用せずに施術してカラーの色素が残ったまま帰宅し、お客様が自宅でそれに気づいたときには、当日の施術や対応が良くても絶対にリピーターにはつながりません。美容師としてとてももったいないことですので、カラー前やパーマ前には細心の注意を払ってプロテクトクリームを忘れずに塗りましょう。
メーカーにより成分は異なりますが、美容室で使用するなら大容量タイプを購入することをおすすめいたします。