根強い人気があり美容室としても無視できないメニューのひとつであるヘナカラー。しかし、ヘナは正しい知識や技術を持って施術しなければ、思わぬトラブルになることもあります。
この記事では美容室でヘナを取り扱う際に知っておくべき基礎知識について解説します。メリットや注意点、おすすめのヘナも紹介しますのでぜひ参考にしてください。
Last Updated:2021/12/12
ヘナを取り扱う美容室が知っておくべき基礎知識
美容学校でヘナについて学んだものの、美容室に勤務して初めて実物に触れたという人は少なくありません。就職した美容室がヘナを取り扱っておらず、ある程度のキャリアを持って他店へと転職し、初めてヘナに触れたという美容師もいるでしょう。
そういったヘナに関する知識、技術、経験不足の美容師が、お客様との間でクレームやトラブルを起こすケースは多々あります。ヘナは知識と技術がとても重要な染料です。まずは、ヘナについての基礎知識から確認していきましょう。
ヘナとは
ヘナとは、エジプトやインド、北アフリカ、イランなどに多く生息するミソハギ科の植物です。和名を「指甲花(シコウカ)」と言い、葉をすり潰したものが染料になるとして古くから着色に用いられてきました。ヘナの染料は、布などの繊維だけでなく肌や髪、爪なども染めることができます。
クレオパトラがヘナで爪を着色していたという史実も残されており、現在でもインドではヘナを使ったボディアート「ヘナタトゥー」が外国人観光客向けのサービスとして人気を集めています。
ヘナは植物由来のヘアカラー剤
明確な情報はありませんが、日本でヘナが取り扱われるようになったのは20~30年程前からだと言われています。まだまだ、歴史としては浅く、当初はアルカリカラー剤にアレルギーのある人でも使える白髪染めとして注目を集めていました。
一般的なアルカリ染毛剤はパラフェニレンジアミンを始めとするジアミン系化学薬品です。ジアミンは、アレルギー物質の一種でもあります。ジアミンによるアレルギー症状を起こすと痒みやかぶれ、肌の炎症などを起こしてしまいます。
一方ヘナは植物由来の染料なので、ジアミンのアレルギーを持つ人でも染毛が可能です。これまでアレルギーが原因でジアミンを含まない酸性染料(マニキュア)を用いて白髪染めをしていた人が、ヘナに切り替えるといったケースが多くみられました。
ヘナで白髪染めができる仕組み
ヘナには色素成分としてローソニアが含まれています。ローソニアは赤色の酵素色素で、たんぱく質に反応する性質を持っているのが特徴です。タンパク質に反応したローソニアは、膜を張るよう表面に付着し発色します。
ヘナで白髪染めができる仕組みも同じです。髪に含まれるケラチンタンパク質に反応したローソニアが、キューティクルに付着、発色します。この時、ヘナは白髪だけをピンポイントで染めている訳ではありません。ローソニアは全てのケラチンタンパク質に反応して吸着するので、白髪も黒髪も全てヘナで染まっているのです。黒髪に付着したヘナもしっかりと反応していますが、目でみて発色を確認するのは難しいでしょう。
オーガニックヘナとは
ヘナを取り扱っていると「オーガニックヘナ」という言葉を聞く機会が多くあるのではないでしょうか。これは、有機栽培されたヘナから作られた染料のことを言います。科学肥料や農薬を使用せず、完全な自然由来のヘナとして無農薬嗜好の方から人気です。
しかし、日本にはヘナのオーガニック品質を保障する基準がないため、実際には農薬等が使われていても「オーガニックヘナ」という名称で販売されていることがあるので注意が必要です。
オーガニックヘナにこだわりたい場合、世界基準を参考にしてみるのがおすすめです。
美容室でヘナを取り扱うメリット
ヘナは施術時間も長く、商品によっては材料費が高額になるメニューです。ヘナを取り扱う際には、メリットをしっかりと把握して検討する必要があるでしょう。
ジアミンアレルギーを持つ人でも白髪染めができる
100%ヘナは化学薬品を含まないため、ジアミンアレルギーを持っていてヘアカラーができない人でも施術可能です。白髪染めは来店サイクルも比較的短いため、客単価を上げたい、カラー比率をあげたいという場合、顧客層によっては売上アップ等の効果も期待できます。
自店にジアミンアレルギーが原因でヘアカラーを避けている顧客がどの程度いるのかも、取り扱うか検討する重要ポイントとなるでしょう。
髪や頭皮へのトリートメント効果がある
ヘナは髪や頭皮に対するトリートメント効果が高いのも特徴のひとつです。施術回数を重ねる度にケアされるため、顧客満足度向上の効果も期待できるでしょう。
ヘナの美容効果には以下のものが挙げられます。
・キューティクルを保護する
・髪にハリ、コシを与える
・紫外線ダメージを抑える
これらの髪に対する効果以外にも、ヘナに含まれるポリフェノールやビタミンB群により頭皮への美容効果も期待できます。髪にダメージを与えず、ケアをしながら染められることが、ヘナの最も大きなメリットと言えるでしょう。
美容室でヘナを取り扱う際の注意点
魅力的なメリットのあるヘナですが、一方で美容師が適切に把握していないとトラブルの原因となる注意点もあります。
色のバリエーションが少ない
ヘナは天然由来の染料であるため、化学薬品を使った染毛剤のように多種多様なカラーリングは不可能です。
オレンジ系カラーを主流として僅かなカラーバリエーションしかない上、アルカリ剤などを含まないためトーンアップもできません。お客様の希望するカラーがヘナで実現できるのか、細やかなカウンセリングを行い確認しましょう。
方法によっては2度染めなどで赤味を抑えたカラーリングも可能です。ただし、染料となるローソニアが赤色酵素染料なので、色落ちしてくると必ず赤みがかってきてしまうことを必ず事前に説明するようにしましょう。
ジアミンを含むケミカルヘナも存在する
ヘナの中には、特殊な色味を再現するために僅かにジアミンを含んだケミカルヘナと呼ばれるカラー剤も存在します。
わずかであってもジアミンが配合されているヘナを使うと髪や頭皮ダメージの他、アレルギー反応を起こすリスクもあります。
カラーバリエーションが豊富なヘナなどは、特に配合成分についてよく確認し、ジアミンの有無を確認してから使用しましょう。
美容室で取り扱うのにおすすめのヘナ
美容室でヘナを取り扱う場合、オーガニックやナチュラルヘナ、ケミカルヘナなどこだわる部分はさまざまです。ヘナを導入する目的に合わせて、取り扱うヘナを厳選する必要があるでしょう。
最後におすすめのヘナを紹介します。
ヘナ オーガニータ サハラブラウン
容 量 | 100g |
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カラー | サハラブラウン ※他のカラーは商品詳細ページ、または美通販カタログ内でご確認ください。 |
価 格 | 美通販価格(詳細は商品ページまたは美通販カタログ内でご確認ください。) |
商品番号 | 00106300 |
世界基準で認められているオーガニックヘナ。有機栽培によるノンケミカルで肌や髪に優しいヘナです。カラーバリエーションは「ビターオレンジ」「サハラブラウン」「アースブラウン」「ディープブラウン」「ノンカラー」「インディゴブルー」があります。「ノンカラー」はトリートメントとしてヘナを使いたい場合におすすめです。
ジャパンヘナ コーヒーブラウン
メーカー | ジャパンヘナ |
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ブランド | ブランド名 |
容 量 | 100g |
カラー | コーヒーブラウン ※他のカラーは商品詳細ページ、または美通販カタログ内でご確認ください。 |
価 格 | 美通販価格(詳細は商品ページまたは美通販カタログ内でご確認ください。) |
商品番号 | 00125980 |
ヘナを使ってナチュラルに白髪ぼかしをしたいという人におすすめなのが、ジャパンヘナの提供しているヘナカラーです。カラーの種類も豊富で薄付きですが、自然と白髪をぼかせると人気です。同シリーズでHC染料を含有したケミカルヘナもあります。
美容室でヘナを導入する際は事前準備をしっかりと
ヘナは自然由来で髪や頭皮に優しい染料ですが、基礎知識のないまま扱ってしまうと大変なトラブルを引き起こしてしまうリスクがあります。
導入を検討する場合、コスト面や集客効果を考えるのも大切ですが、まずはメーカーに店内講習等を行ってもらうのが良いでしょう。ヘナがどういったものか、知識や技術面をしっかりと学んだ上で導入するのが、トラブルを回避するのにおすすめの方法です。
知識や技術を兼ね備えていれば、お客様の髪や頭皮の悩みを解決できる可能性を持っているヘナ。上手に導入して、集客効果や利益アップを目指してみてくださいね。
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