スタイリング剤の落とし方について、お客様に説明されている美容師さんって意外と少ないと思います。なぜなら、私たちプロにとってスタイリング剤を落とす行為は難しいことではないからです。しかし、お客様からすると意外とできなかったりするって知っていましたか?
そこで今回は、スタイリング剤の落とし方や簡単に落とせるアイテムを紹介していきます。
ヘアスタイリング剤をつけたまま寝るとどうなる?
スタイリング剤をつけたままで寝ることはとても危険です。実際にスタイリング剤をつけたままにすると、どういうことが起こるかシチュエーション別に説明をしていきます。
頑固な寝ぐせの原因
寝ぐせが起こる原因をご存知でしょうか?
寝ぐせは「水素結合」が大きな原因です。パーマの勉強をするときに習ったと思いますが、水素結合について改めて説明します。
水素結合とは「濡れた髪が乾く」という現象のことです。スタイリング剤がついたままの髪は、濡れている状態に近いです。そのため、スタイリング剤がついたまま寝ると水素結合の影響で髪に折り目がつく可能性が高くなります。
そうならないために必要なのが「シャンプー&ドライ」です。髪を綺麗に洗い、スタイリング剤を落としてドライヤーで髪を乾かすことで寝ぐせを防いでくれます。
さらに髪を乾かした後にドライヤーの冷風を当ててあげると、髪の状態をよりキープしてくれるのでおすすめです。温風と冷風をうまく使って寝ぐせを防ぎましょう。
パーマや縮毛矯正で寝ぐせを防ぐ
お客様の中には、朝の時間が作れずバタバタされる方もいらっしゃいます。そんな方には、縮毛矯正やパーマを提案すると良いでしょう。縮毛矯正をかけると、髪が強制的にまっすぐになるので少々の水素結合が起こっても寝ぐせになりません。
パーマに関しても少し強めのパーマをかけてあげると、寝ぐせになっても見た目ではわからないので安心です。事実、私は強めのパーマをかけているので寝ぐせ直しをする必要がなく朝の時間を自由に使えます。
本当に寝ぐせに困っている方には、パーマか縮毛矯正を提案してみてはどうでしょうか?
髪や頭皮に負担がかかる
頭皮からは皮脂と汗が常に出ています。スタイリング剤を落とさずに寝るということは、頭皮から分泌された皮脂や汗も洗い流していないということです。頭皮環境や衛生的によくありません。
シャンプーで不必要な皮脂は落としてあげないと、頭皮の悪臭や湿疹の原因になってしまいます。さらには薄毛や抜け毛も助長しかねないので、必ずスタイリング剤を落とすようにしましょう。
湯シャンで十分じゃないの?
お客様から「湯シャンはダメなんですか?」と聞かれた経験のある美容師、理容師さんの方はいるのではないでしょうか?
ヴィーガンな生活を送っているお客様でしたら湯シャンもありです。しかし、お客様の中にはシャンプーが面倒くさいから質問されている方もちらほら…。「湯シャンは洗い流すだけで楽」みたいな間違ったイメージを持っているんだと思います。
そんなときは湯シャンが実は、かなり難易度の高いシャンプー方法ということを伝えると良いです。
湯シャンをするのであれば最低限、守らなければいけないことがあります。それは以下の3つです。
- 湯シャン前に髪をブラッシングをする
- 10分以上頭皮をこすらず揉むように洗う
- 週に1回、専用の薬液で頭皮を清潔に保つ
湯シャンとは、シャンプーを使わずにシャワーだけ浴びれば良いというものではありません。湯シャンは先ほど挙げた3つを確実にしないといけないので、普通にシャンプーをするよりずっと面倒です。
面倒くさがり屋のお客様から「湯シャンではダメですか?」と聞かれたら、湯シャンの大変さを伝えるようにしましょう。
ヘアスタイリング剤別の落とし方
ここでスタイリング剤別の落とし方について解説をします。お客様が普段から使うスタイリング剤をイメージして覚えておくといいでしょう。
ヘアムースの落とし方
ヘアムースは、比較的に落としやすいスタイリング剤と言えます。なぜなら、ヘアムースは水分量の多いスタイリング剤だからです。
ヘアムースのようなスタイリング剤の落とし方としては、シャンプーをする前にお湯でよくすすぎます。そのあとに、いつも通りシャンプーをすれば問題はありません。
ヘアワックスの落とし方
ヘアワックスはスタイリング剤の中でも、かなり落ちづらいと言えるでしょう。
先ほど紹介したヘアムースと違い、ヘアワックスは固さがあります。特にメンズが使うようなハードタイブだとホールド力が強いのでお湯ですすぐだけでは落ちません。ヘアワックスを落とすには、2回シャンプーをしてあげることをおすすめします。
1回目のシャンプーは、頭皮の汚れを落とすというよりワックスが落ちれば良いので泡立ててあげるだけで十分です。2回目のシャンプーで頭皮の汚れを落としましょう。あとでヘアワックスのような落ちづらいスタイリング剤の落とし方も解説しますね。
スタイリングジェルの落とし方
スタイリングジェルは、お湯でしっかり流せば落ちてくれます。もちろん、超ハードタイプは別になりますが通常のスタイリングジェルであれば問題ありません。スタイリングジェルはその名前の通り、水分が多く含まれているのでお湯との親和性が高く落ちやすいんです。
シャンプー前にしっかりとすすいでからシャンプーをしてあげましょう。
ヘアスプレーの落とし方
ヘアスプレー自体は軽い仕上がりで落ちやすいです。しかし、ヘアスプレーは結果的に落ちづらくなる可能性が高いスタイリング剤と言えます。それはヘアスプレーがスタイリングの仕上げで使うことが多いことが理由。
つまり、ヘアスプレーはヘアワックスの後に使うなど「何かしらのスタイリング剤と併用される」場合がほとんどということです。
そのため、二重にスタイリング剤がついているので必然的に落としづらくなります。ヘアワックスの落とし方と同様に、2回シャンプーをしてあげるようにしましょう。
ただし、ヘアスプレーの中でもヘアフレグランススプレーのように髪がサラサラになったり、香りがついたりするようなアイテムがあります。このタイプのヘアスプレーなら、一度のシャンプーで落ちるので種類によって落とし方は使い分けると良いです。
ヘアミストの落とし方
ヘアミストは落ちやすいスタイリング剤と言えます。霧状に出るので一見ヘアスプレーと似ていますが、ヘアミストのほうがスプレーの粒が大きく水分量が多いです。お湯でしっかりとすすいでからシャンプーをしてあげましょう。
ただし、最近ではヘアミストを使う機会もかなり減っているので、サロンワークで使う可能性は低いかもしれません。
ヘアクリームの落とし方
ヘアクリームもヘアミスト同様にサロンワーク使われることはかなり減りました。現在ではヘアクリームのかわりに流さないトリートメントが台頭してきています。
落ちやすさとしては、スタイリンジェルよりも少し落ちづらい感覚です。さらにヘアクリームは、髪をまとめるときに使われることが多いスタイリング剤。そのため、髪をまとめることができるくらいのある程度長い方に使用されることが多いです。
髪が長ければヘアクリーム使う量も増えるので、落としづらくなる可能性もあります。スタイリング剤が落ちづらいと感じたら2回シャンプーをしてあげると確実です。
落ちにくいときはどうすべき?
結婚式のような冠婚葬祭の場合、スタイリングもガチガチに固めることが多いと思います。そんなときにぴったりのスタイリング剤の落とし方があります。
やり方は簡単でシャンプーをする前にトリートメントをつけて流すだけです。このような手順になります。
- 髪をしっかり濡らす
- トリートメントを髪全体に馴染ませる
- トリートメントをしっかり流す
- シャンプー&トリートメント
- 流して終わり
スタイリング剤がついている状態でトリートメントをつけることによって、ヘアワックスなどが浮いてくれます。油で油を落とす原理ですね。簡単にできるので結婚式のセットなどで来店されたお客様にお伝えしてみてください。
頑固なスタイリング剤を落とすアイテムはある?
これまで落ちにくいスタイリング剤の種類や落とし方について説明してきました。ただし、お客様の中にはいろいろやること自体を面倒くさがる方もいます。担当されているお客様の中で心当たりの方はいませんか?
そんな面倒くさがり屋の方におすすめのアイテムがこちらです。
このウルトラマジック スーパーとったゲルを使えば簡単に頑固なスタイリング剤を取ることができます。
使い方は、先ほどのシャンプー前につけるトリートメントのやり方と同じで問題ありません。相当頑固なスタイリング剤でも落としてくれるので、仕事柄ハードにスタイリングされる方に人気です。店販として美容室に1本あれば活躍してくれます。
メーカー | ウルトラマジック |
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ブランド | スーパーとったゲル |
サイズ | 165g |
定 価 | |
商品番号 | 67853 |
たまにはヘッドスパで頭皮の汚れもオフしてみて
今回のスタイリング剤の落とし方についての内容をまとめていきます。
- スタイリング剤をつけたまま寝るのはNG
- スタイリング剤をつけたままにすると頭皮に悪影響が起こる
- 寝る前にスタイリング剤を落として髪を乾かすことが大事
- パーマや縮毛矯正をして寝ぐせ防止にもある
- スタイリング剤によって落ち方が違う
- スタイリング剤が頑固で落ちない場合は先にトリートメントをつける
- 湯シャンはシャンプーするよりも手入れが難しい
- しつこいスタイリング剤を落とすアイテムがある
以上の点を意識してサロンワークに活かしてみてください。
やはり、スタイリング剤はしっかり落とした方が良いです。寝ぐせが残るくらいならまだいいですが、頭皮湿疹ができてカラーやパーマができなくなる可能性もあります。たまにはヘッドスパなどをして頭皮環境のクリーニングをしてあげるのもいいかもしれません。
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