温暖化の影響で、年々増加する紫外線。日頃から何らかの紫外線対策を行わなければ、様々な影響をもたらすことになるでしょう。紫外線が直撃しやすいのは肌だと思いがちですが、実は髪や頭皮にも悪影響を及ぼします。せっかく美容室で美しく整えた髪も、紫外線によりパサつきや褪色などをおこして台無し、ということにもなりかねません。そう考えると、髪のUVケアは必須となります。夏だけでなく1年中UVケアが必要な理由とヘアケアの方法をご紹介します。
Last Updated:2021/5/26
UVケアは夏だけじゃないの?
夏になると紫外線対策を始める人は多いでしょう。確かに紫外線がピークに値する時期は7月~8月頃です。とはいえ、紫外線は4月頃から10月くらいまで強い状況が続きます。冬でも夏の20%~50%の紫外線は降り注いでいるため、紫外線からの油断は大敵となり、1年中のUVケアが必要になるのです。
肌や髪に影響を与える紫外線には、UVAとUVBの2種類があります。それぞれの特徴や、注意点をまとめています。
“UV-A”と“UV-B”の特徴
紫外線には「UV-A」と「UV-B」があげられます。「UV-C」もありますが、地上に届く前にオゾン層に吸収されます。
UVA(紫外線A波)
地上に届く紫外線の90%がUVAです。波長が長いため、窓ガラスを通して人の肌や髪に到達します。その波長の長さから、肌の真皮層にまで到達し、シワやたるみを引き起こしたり、髪のコラーゲンの変性を生じさせてしまうでしょう。また、曇り日でもUVAは降り注ぐため、油断できません。
UVB(紫外線B波)
UVBはUVAと比較すると波長が短いため、肌や髪のコラーゲン変性を起こすことはありません。しかし、肌や頭皮の表面までは到達するので、頭皮の炎症やフケなどの症状を引き起こします。
1日の紫外線量の変化
朝9時頃から15時頃まで紫外線が強い傾向にあります。
太陽が出ていなくても油断禁物!
ここで注意したいのが、紫外線は太陽が出ていないときでも降り注いでいるという点です。晴れた日の紫外線が100%だとすると、曇りの日では65%の紫外線が降り注ぎます。したがって、晴れ日ばかりに紫外線対策をしても意味がない、というわけです。
紫外線が髪に与える影響とは?
紫外線と言えば、肌への影響を真っ先に思いつくでしょう。しかし、肌だけでなく紫外線は髪にも影響を与えます。
- 髪のパサつき
- 髪に紫外線が当たると髪内部のタンパク質が破壊され、パサつきが生じます。そうした状態が続けば、枝毛や切れ毛などのトラブルに発展するでしょう。
- 褪色
- 毛髪の内部には、髪を黒くする色素「メラニン」が存在します。紫外線があたることによってメラニンを分解してしまうのです。これにより、髪が茶色っぽくなります。(光劣化)
- 頭皮の炎症
- 紫外線は髪だけでなく、頭皮にも炎症などの悪影響を引き起こします。頭皮は1番紫外線量を受けやすいともいるえるのです。また、頭皮にダメージが加わると、抜け毛の悩みも併発します。
特に海に行くときは要注意!
どこの場所にいても紫外線には注意が必要です。特に注意したいのが、海やプールなどのレジャー時でしょう。
水に濡れた状態が危険
濡れた髪に紫外線があたると、酸化という現象がおきて髪の色素が分解されてしまいます。そのため、赤茶っぽい髪色に変化してしまいます。マリンスポーツをやる人は髪を染めなくても、髪が赤茶っぽくなりやすい傾向にあります。
照りかえしが危険
海やプールでは、砂浜やコンクリートの照り返しにより、より紫外線の影響を受けやすくなると言えます。
日焼け後の髪はいつもより念入りにケアしましょう
日焼け後の髪はいつもよりキューティクルが壊れデリケートになっています。紫外線を浴びた髪は肌と同じように、いたわるようにケアしてあげましょう。その手段として、UV処方のスプレーや、トリートメント、ワックスなどがあげられます。
お客様へのカウンセリング時には、紫外線が髪に与えるダメージの数々を説明し、日頃からのUV対策を提案しましょう。それぞれの商材の使い方を詳しく丁寧にアドバイスしてください。
日頃からできる髪の紫外線対策
紫外線対策は1年中意識したいものです。そのためには、次のような対策を参考にしましょう。日頃から紫外線対策を意識することで、美しい髪が維持できるのです。
日傘や帽子で紫外線予防
外出するときは、日傘を使ったり帽子をかぶったりしましょう。これらを使用することで、紫外線から髪や頭皮を守ることができるでしょう。最近ではUV対策のできる日傘や帽子が販売されていますので、有効活用するのもひとつの方法です。
UVカット仕様のスタイリング剤・ヘアケア剤を使う
UVカット仕様のスタイリング剤やヘアケア類を積極的に使用しましょう。スプレータイプやクリームタイプなど、様々な形状から生活スタイルに合わせた商品を使いたいものです。また、紫外線悩みを抱えたお客様に対しては、お客様に見合うUV商材を推奨することが大切です。
ヘアマニキュアでコーティング
ヘアマニキュアは、髪をコーティングする役割をもちます。そのため、紫外線が髪に直接当たることを防ぎます。
また、カラーマニキュアに抵抗があるお客様に対しては透明なマニキュアをおすすめください。このとき、お客様に対しては、マニキュアはおしゃれだけに使用されるものではなく、髪を保護する役目をもっていることを説明するようにしましょう。
メーカー | ナプラ |
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ブランド | ケアテクトOG |
サイズ | 190g |
カラー | クリア ※他のカラー詳細はカタログ内でご確認ください。 |
サロン価格 | |
商品番号 | 77991 |
美容室で購入・UVケアできるおすすめ商品
紫外線による髪へのダメージは、UV効果の高い商品を選びましょう。一番安心できるのが、サロンがおすすめする商材です。ここでは、サロンでお客様にご紹介できるUV商品をご紹介します。
美容室には在庫がないこともあるため、お客様には事前に問い合わせてもらうという趣旨を伝えましょう。お客様の需要に合わせて、できる限りの在庫は確保し、ストックの確認も行っておきたいですね。
スプレー部門ではダントツの上位を誇るナプラのミーファ フレグランスUVスプレー マグノリア。オーガニックハーブエキスをはじめとしたローズヒップ油などの保湿効果が、紫外線により傷んだ髪を優しくケアします。スプレーなので、有効成分が髪や肌にまんべんなく行き渡るのも大きなメリットでしょう。
上品でフレッシュなヘアフレグランス効果とUVケア効果が得られる優秀な商材です。髪や肌を紫外線から守りながら、魅力的な香りをまとえるスプレーを常備しておきたいものですね。
メーカー | ナプラ |
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ブランド | ミーファ |
サイズ | 80g |
香 り | |
SPF/PA | SPF50+/PA++++ |
定 価 | |
商品番号 | 96330 |
ミルボンが提供するディーセス エルジューダ サントリートメント セラムは、紫外線カット成分にスムーズテクスチャオイルを加えた処方です。そのため、髪全体に余すところなく有効成分が行き渡ります。
UVカット力は生活紫外線を十分にカットできるSPF25。毎日使用することで、確実に紫外線からのダメージを防ぐことができます。洗い流さないアウトバスタイプを好む方にもおすすめです。
メーカー | ミルボン |
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ブランド | ディーセス エルジューダ |
サイズ | 120ml |
形 状 | オイル |
香 り | グレープフルーツオアシス |
SPF/PA | SPF25 PA+++ |
定 価 | |
商品番号 | 104205 |
髪のダメージを引き起こす活性酵素。そんな悪要因を誘発するのが紫外線です。アリミノ ヘアカラー サンシールド ALは、ココナッツオイル配合で、髪のUVダメージを抑制し、パサつきのないまとまりのある髪に整えます。また、UVによる褪色を防いで本来の髪の色を損なわせません。
洗い流すタイプのトリートメントを望んでいる方におすすめです。プロ用のトリートメントであるため、サロンでの施術が必須です。
メーカー | アリミノ |
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ブランド | ヘアカラー サンシールド |
サイズ | 200g |
種 類 | AL(カラードヘア(アルカリ))、AC(カラードヘア(アシッド)、黒髪、ホワイトヘア) |
香 り | オレンジフラワー |
サロン価格 | |
商品番号 | 99531 |
ナプラ ケアテクトHBヘアメイク ホールドメイクは、毎日のスタイリングとヘアケアが同時にできてしまうワックス状のスタイリングクリームです。万全なセット力はもちろんですが、紫外線でダメージを受けた髪や頭皮に潤いや艶を与えてまとまりのある健康な髪に導きます。
毎日のスタイリングにワックスが欠かせない男性にもおすすめの商材です。
メーカー | ナプラ |
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ブランド | ケアテクトHBヘアメイク |
サイズ | 50g |
使用感比較 | セット力:7 ウェット感:4 乾燥速度:6 トリート効果:4 |
香 り | フローラルハーブ |
定 価 | |
商品番号 | 77828 |
紫外線で傷んだ髪のケア方法
紫外線で傷んだ髪は内側、外側どちらからも丁寧にケアすることが大切です。ここでは、紫外線によりダメージを受けた髪の的確なケア法をご紹介いたします。
ビタミンCで身体の内側からケア
食べ物から摂取する栄養によって髪や頭皮を美しく保つことができます。特に、ビタミンCは紫外線によるダメージを緩和したり、髪内部のコラーゲンを増強させます。オレンジや赤ピーマン、ゴーヤ、ローズヒップなどの食材に含まれています。
ビタミンC以外にも、併せて摂取したほうがよいビタミンは次のようなものです。
- ビタミンE
- 抗炎症効果があるため、日焼けして赤くなった頭皮の鎮静化が期待できます。アーモンドや玄米などに含まれています。ビタミンCと併用することで相乗効果が望まれます。
- ビタミンA
- 新陳代謝を促進させるため、紫外線による頭皮の乾燥にいち早く働きかけます。人参、カボチャなどに多く含まれています。
- ビタミンB群
- 育毛・発毛効果があるため、紫外線を受け、脱毛しやすくなった頭皮環境を整えます。大豆やレバーに含まれています。
メーカー | ポンパドール |
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ブランド | ローズヒップ&ハイビスカスフラワー |
サイズ | 3.5g×20袋 |
原産国 | ドイツ |
部 位 | 実・がく |
定 価 | |
商品番号 | 67996 |
ヘッドスパで頭皮からケア
紫外線によるケアは、髪だけでなく頭皮にも目を向けましょう。頭皮の紫外線ケアはホームケアだけでは十分に行いにくいものです。
最近は、ヘッドスパという頭皮ケアメニューを設けているサロンが増えました。日焼けして炎症がひどくなった頭皮には、温度の低いお湯を使えるのもヘッドスパの魅力です。お客様に対しては、頭皮と毛髪のダブルケアが可能なヘッドスパで健康毛を育てるべくアドバイスしてみてはいかがでしょうか。
髪の分け目を変えてみる
髪の分け目が同じだと、紫外線はそこの部分に集中し、部分的に頭皮の日焼けや炎症がひどくなります。そのようにならないためにも、定期的に髪の分け目を変えて紫外線が同じ部分ばかりに当たらないようにしましょう。
ドライヤーを上手に使おう
髪の傷みが気になると、ついついドライヤーを控えて自然乾燥にしてしまいがちです。しかし、ドライヤーは頭皮の水分をしっかり乾かして雑菌を繁殖しにくくします。また、髪はドライヤーの熱によりキューティクルが引き締まり、うねりのないまとまりのあるヘアスタイルをキープします。
それでもドライヤーを使うことに抵抗のある方は、頭皮用のローションや、アウトバストリートメントを併用しながらの使用をおすすめします。
髪もしっかりUVケアをして紫外線から守りましょう
いつまでも美しい髪は女性の憧れです。とはいえ日常やレジャーで浴びる紫外線により、髪や頭皮はかなりのダメージを受けています。このままUVケアをしなければ、褪色、枝毛、切れ毛、頭皮炎症などに移行してしまいます。せっかくサロンで美しく整えたカラーやパーマも紫外線により台無しになってしまいますね。
お客様によっては、紫外線は肌に悪影響なものという認識しかなく、髪への影響を軽視しているというケースも少なくありません。そうした隙をうまく埋めてあげるのが美容師の役割です。髪や頭皮への紫外線ダメージを受けたお客様に対しては、十分なカウンセリングと適切なUV商材のご紹介をしていきましょう。