サロンではなく独立開業をして自宅などで美容師として施術をする”訪問美容師”をご存知でしょうか。訪問美容師は高齢者が増加している現代に必要とされている新しい美容の形ですが、その訪問美容師になるためには開業をする必要があります。
訪問美容師として開業するために必要なことや申請の方法、その手続きについてご説明します。
Last Updated:2021/5/21
訪問美容師として開業するのに必要なこと
訪問美容師として開業するためには、サロンで通常通り開業するのと同様に必要なことがたくさんあります。どちらかと言うと自分で開業する訪問美容師のほうが大変なことが多く、サロンで働く美容師よりも考えなければいけないことが山積みになっています。
費用もかかり、利益も自分の技術や知名度で出さなければいけない開業美容師に必要なことを確認していきましょう。
理容師・美容師免許
訪問美容師として働くためには、まず必要なものとして理容師免許や美容師免許が挙げられます。この2つは似ているようで異なる資格なので、資格を取得する前にどちらの資格を取得するべきなのかを考えておきましょう。
美容師と理容師では扱う道具が異なり、美容師がハサミを使って施術をするのに対し、理容師はカミソリを使います。したがって、理容師は顔への施術も顔剃りくらいしか対応していなく、必然的にメイクもできないので女性への集客は少し難しくなってしまうかもしれません。
どちらの資格を活かして開業するかは自分次第ですが、おすすめなのは美容師の資格を取得して訪問美容師として活躍することです。
客層の設定
訪問美容師として働く場合も“小さいサロンで働いている”と考え、客層を設定することが大切です。
開業している訪問美容師のメリットは、集客において自分の考えている客層と方針を直結させることができる点です。これに対し、サロンの従業員はサロンの方針に従わなければならず、自分の考えている方向性とのギャップが生じることも少なくありません。
客層の設定では開業する地域や自分の得意な施術、今需要が高まっている施術などを総合して検討し、決定することができます。
訪問美容師は費用もかかって軌道にのるまでが大変な働き方ではありますが、細かい客層や方向性までを自分で設定できるので、やりがいを感じて働くことができる美容師も多いと言えます。
福祉系の資格は必要?
“訪問美容師”を必要とするのは高齢者や介護者が必要な人が多いという点からも、訪問美容師には福祉系の資格が必要なのではないか、というイメージをもっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、実際には介護が必要な方への施術は介護者の方やご家族の方のサポートを受けながら美容師は施術に専念することができるので、福祉系の資格を取得することは優先事項ではありません。
あったら役立つ資格ではあるので福祉系の資格にも興味がある美容師は資格取得を目指してみても良いのではないでしょうか。福祉系の資格を取得すれば、さらにたくさんのお客様を増やすことができるかもしれません。
活動地域の状況を知る
活動地域の状況を知ることは、訪問美容師として開業するために最も大切なことのひとつだと言えます。なぜなら、活動地域の状況によって客層が変わり、集客のしやすさや利益の金額も変わってくるからです。
訪問美容師は自分が働きやすい活動地域で開業しなければ意味がないので、開業を検討しているという人は活動地域選びにも力を入れる必要があるでしょう。もし、活動したい地域では訪問美容師の開業には向かない、ということに気付いたら、開業する地域については再検討する必要があります。
訪問美容師の需要が高い地域を選んで開業することが成功のためのコツとなります。
講習会に参加してイメージをつかむ
訪問美容師のお客様となるのは、介護が必要な人など寝たままで施術を受けたいという人がメインとなっています。そのため、サロンでの施術で活かせることもあれば、注意点や知識を補わなければいけない点もあります。そのような訪問美容師におすすめなのは、講習会に参加してイメージをまずつかむことです。
講習会では座っているお客様だけでなく寝ているお客様への施術方法を学ぶこともできますし、自分が本当に美容師として本当にやりたいことであるかも明確になるでしょう。
書類の提出(市区町村ごとに確認が必要)
書類の提出は訪問美容師が活動する市区町村ごとにどんなものが必要となるのか、確認が必要となります。一般的には美容師免許証や訪問美容師の健康診断書などの提出を求める市区町村が多いようです。
美容師の健康診断書は皮膚疾患や結核などの感染症にかかっていないかを調べるためのもので、健康診断に多少引っかかっているところがあっても気にしなくて良いでしょう。
これらの書類は事前に提出する必要があり、当日もコピーなどを携帯していくと安心です。
税務署への申請
税務署への申請の種類としては、開業届と青色申告承諾申請書があります。開業届は事業をスタートした1ヶ月後までに提出をする必要があるもので、訪問美容師に限らず自宅で開業をする人までが申請をします。
もちろん、青色申告承諾申請書の申請は必須なものではありませんが、節税のためにも臨機応変に申請をした方が良いと判断したら申請を行うようにしましょう。
また、会計ソフトも格安で利用することができるので、帳簿記入の知識がない人は積極的に活用を検討してみてください。
訪問美容師として活動するのに必要なもの
訪問美容師として本格的に活動するのにあたって、最低限必要なものとはどのようなものなのでしょうか。店舗を持たない訪問美容師だからこそ必要なものについて、確認していきましょう。
必要な道具を揃える
サロンで働いている美容師は自分の私物の道具以外にも共有の道具がサロンに揃っていて、それを他のスタッフと共有で使うことができますよね。しかし、訪問美容師は共有の道具がなく、全ての道具を自分で揃えなければいけません。
必要な道具を揃えるのは意外と大変で、その管理や保管場所のことまでを自分で考えていく必要があります。したがって、必要な道具を揃えるとともにそれを“いかに最小限に抑えるか”というところまでを考えることまでが、訪問美容師の必要な道具を揃えるという仕事のうちに入るのです。
チラシや名刺、ホームページの作成
訪問美容師にとってお客様に認知して頂くことや覚えて頂くことが何よりも大切になります。したがって、チラシや名刺、ホームページを作って集客することは非常に役に立つことです。
もちろん、訪問美容師は地域をある程度絞って活動しているので口コミも大切な集客方法のひとつだと言えますが、それだけではなく最近ではネット上の評価や文字での確かな情報が求められています。
だからこそ、新規のお客様にもチラシを作って認知してもらったうえでホームページでより深く知ってもらい、施術時には名刺をお渡しして覚えてもらうことが重要だと言えます。
訪問美容師として開業するために必要な費用
訪問美容師として開業するために必要な費用は数百万円かかるとも言われていますが、費用を抑えれば初期費用としては20万円程度で済む人もいます。
こだわりをもてばキリがないのかもしれませんが、まだ軌道に乗るかもわからないので初期費用はできるだけ安く抑えて必要なものだけを購入し、徐々に物を増やしていくのも良いかもしれません。
訪問美容は儲からない?必要なのは確かな技術とホスピタリティ
訪問美容師は儲からないと考えている人もいるかもしれませんが、技術力がある人であれば今の時代、訪問美容は儲からない訳ではありません。
自分が移動する時間など効率の悪い面もあるかもしれませんが、そういった点は技術力とホスピタリティでカバーし、料金を設定すれば良いでしょう。それが確立できれば、訪問美容は決して儲からない事業ではありません。
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