美容師業務に必要なアイテムのひとつが、コームブラシです。今ではたくさんの種類が出ており、使い分けが必要になります。もちろん同じ種類であっても、使われている素材が違うので、選び方を知っておいたほうがいいでしょう。そこでコームブラシの種類についてまとめてみました。これからコームブラシを購入する予定の人は要チェックです。
コームブラシの種類と選び方
コームブラシは、美容師のお仕事をしているのなら、なじみ深い道具のひとつです。たくさんの種類が作られており、施術の内容によって、その種類を使い分けているでしょう。
また同じ種類であっても、使っている素材によっても使い心地が違います。選び方の知識を持っていないと、施術の時間をロスして、お客様に迷惑が掛かってしまう場合もあるくらいです。
コームブラシの種類と選び方を覚えて損はないので、コームブラシを買い替える人やこれから買い替えるのなら参考にしてみてください。
「コーム」とは
そもそもコームというのは、通常のブラシと大きく形が違います。どちらかというと「クシ」に近い立ち位置なのが、コームといえるでしょう。
コームとブラシの大きな違いは、歯が一直線になっている点です。それが一列しかない細い形状をしており、種類ごとに素材や歯の隙間の幅が違います。主に施術をする際に使うため、用途によって使い分けるために、通常の美容師は何本かコームを持っているでしょう。
コームの種類
コームは施術によって使い分けるので、種類がたくさん出回っています。よく使う種類から、使い方が限定されているものまで幅広く、多くの種類のコームを試してみたほうがいいでしょう。
それぞれの使い方と一緒に、おすすめの選び方もまとめてみたので、コームを購入する予定なら参考にしてみてください。
テーツコーム(カットコーム)
メーカー | ホンゴ |
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ブランド | ビュープロコーム |
サイズ | 全長:187mm、コーム部:幅35×厚さ4mm |
カラー | ホワイト、ブルー |
材 質 | ポリアセタール樹脂 |
耐熱温度 | 100℃ |
価 格 | 美通販価格(詳細は商品ページまたは美通販カタログ内でご確認ください。) |
商品番号 | 96694 |
美容師としては馴染みが最も深いのが、テーツコームではないでしょうか? それはカットの時によく使うコームだからです。
テーツコームの大きな特徴は、隙間の幅が違う2種類の歯がついているところになります。ちょうど半分に区切られており、お客様の髪に状態によって使い分けができるでしょう。
またできるだけテーツコームを選ぶ時は、硬めのものを選ぶのがおすすめです。しっかりとシェープしやすくなり、髪の毛を拾いやすくなるので、カットの施術時間を短縮しやすくなります。
歯の粗さに関しては美容師の好みによりますが、荒めのものを選ぶといいでしょう。濡れた状態で髪を切るウェットカットをする場合、隙間が広いものを選ぶと髪が引っかかりにくくなります。もちろん隙間が狭い種類もついているので、状況によっては使い分けも可能です。
ジャンボコーム
メーカー | Y.S.パーク |
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ブランド | ジャンボコーム |
サイズ | 全長:222mm、コーム部:長さ100×幅50×厚さ6mm |
カラー | レッド、ブラック、ホワイト、ピンク |
材 質 | ポソアセタール樹脂、ガラス10% |
定 価 | |
商品番号 | 11321 |
ジャンボコームは名前のとおり、通常のコームより大きく、目の粗さが大きな特徴です。持ち手が握りやすく、歯の部分も硬めになっているものを選ぶと、施術がスムーズにこなせるようになるでしょう。
基本的に歯との隙間が大きいだけに、髪が傷んだお客様に対してよく使います。薬剤耐性が付いたタイプのジャンボコームを選ぶと、ヘアカラーの際に使えるようになるでしょう。
毛先まで均等にしっかり薬剤を付けられるので、トリートメントの時にも役立ちます。
今では100均でもよく目にするので、美容師だけでなく、一般の人でも利用できるでしょう。美容師としては、使い方に関してアドバイスできるようになると、お客様から信頼されるようになります。
リングコーム(テールコーム)
ブランド | ウルテム |
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サイズ | 全長:225mm、コーム部:長さ88×幅26×厚さ5mm |
カラー | ピンク、ホワイト、ワイン、エメラルド、ネイビー |
材 質 | ポリエーテルイミド |
耐熱温度 | 210℃ |
定 価 | |
商品番号 | 96745 |
リングコームは、ジャンボコームより持ち手の部分が細くなっています。このおかげで細かい作業のサポートとして役立ち、パーマの時によく使うコームのひとつです。
この持ち手の部分にはいくつか種類がありますが、プラスチック製だと安く抑えられますが、耐久性や硬さに問題があります。カーボン製や木製など、硬い素材のものを使うと、コストがかかる分、使いやすくなるでしょう。
パーマだけでなく、お客様の髪をアップにする時にも使えるため、長い目で見ればコストよりも耐久性が高いものを選ぶのがおすすめです。熱や薬剤耐性が強いものを選んで、自分の使いやすいコームを見つけると、手に馴染みやすくなるでしょう。
逆毛コーム
逆毛コームは通常のコームの歯と違い、背の高い歯と低い歯の2種類が交互に付いたコームです。この歯の形状をしていると逆毛がたちやすく、ヘアセットの際に役立ちます。お客様の髪のボリュームを出したい時に使えるので、頻繁にヘアセットをする美容師は持っておいて損はありません。
髪の毛を梳いていて、髪の量が少なくても絡みつきやすいのもポイントです。逆毛だけでなく、他の細かい施術の際にも、髪の毛がすくいにくい状況なら使いやすいでしょう。
アフロコーム
他のコームより幅が狭いのですが、目が比較的荒めに作られているのが、アフロコームの大きな特徴です。
本来は名前のとおり、髪のボリュームを出すために使っていました。しかし現在では、バーバースタイルが流行しているだけに、ポマードを付けた髪を整えるのによく使われます。男性の前髪と相性のいいコームですが、エクステンションヘアーに対しても使われるので、幅広く使えるでしょう。
セットの際によく使うので、プラスチック製のものが多く、軽くて持ち運びもしやすくなっています。
「ブラシ」とは
コームとは違い、ブラシは1面にたくさん毛が敷き詰められています。どちらかというと、ブラシは施術後の髪のセットのために使うのが一般的です。
セットに使うというだけあり、美容師だけでなく、一般の人たちも馴染みがあります。美容師として使い方をマスターするだけでなく、お客様に使い方のアドバイスができるようになると、お客様の信頼度が高まるでしょう。そのためにはブラシの素材や種類について、ある程度把握しておく必要があります。
ブラシの種類
コームと同様に、ブラシにも種類がたくさんあり、素材も種類によって違います。美容師としても長く触る道具だけに、握りやすさや耐久性に優れたものが多いでしょう。そのため安価なものがいいと安易に考えず、用途によって複数のブラシを用意しておき、長く使えるものを選ぶのがおすすめです。
どのような用途で使い分けをするべきか、種類ごとにまとめてみました。自分に合ったものを見つけて、ストレスなく仕事ができるようにしてみてください。
ロールブラシ
ロールブラシは、360度どの部分にも毛がついているブラシです。丸くなっているので、ドライヤーを使いながらロールブラシでセットをすると、カールが付きやすくなります。もちろん引っ張りながらブローをすると、ストレートヘアになるので幅広い使い方ができるでしょう。
またロールブラシなら、動物の毛を使ったものを選ぶのがおすすめです。自然の脂がついており、ブローをすればツヤが出やすく、仕上がりがサラサラになります。
本来なら髪が細い髪なら豚毛を使い、剛毛の人には猪毛を使ったほうがいいでしょう。しかし美容室での営業をしていると、その手間をかけるのが難しいので、硬い毛と柔らかい毛が混ざった軟豚毛のロールブラシを選ぶのが無難です。
ブローブラシ
ブローブラシとは、名前のとおりブローのためのブラシです。主にストレートヘアにするためのもので、ロールブラシと違い、片面しか毛がついていません。しかし比較的ブラシ自体が重くなっており、構造上髪が絡みやすく、ブローがしやすくなっています。
またゴムの台座などの素材のこだわりにより、髪に熱が伝わりやすくなっているのもポイントです。まさしくブローのためのブラシなので、髪の毛をまっすぐにしてツヤを出したいのならブローブラシを常備しておきましょう。
ちなみにナイロン毛が9列に配列されたデンマンブラシを選ぶと、幅広い髪に対応できます。最初にブローブラシを選ぶのなら、参考にしてみてください。
ツインブラシ
ブラシの多くはセットの際に使うのですが、ブローがやりにくいという人は少なくありません。その原因は髪の毛が絡みにくく、ドライヤーを持ちながらブラシを梳かせないからです。
ツインブラシは髪の毛を挟み込めるため、髪の毛が絡まないといったデメリットを解消できます。髪の毛を引っ張りながらドライヤーの風を当てられるので、髪の毛にツヤが出やすくなるでしょう。
またツインブラシは挟みやすくするために、持ち手の軸がしっかり作られたものを選びましょう。グラグラしていると、1日に何度も使っていると壊れてしまいます。
シャンプーブラシ
メーカー | ベス |
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ブランド | スカルプマッサー |
サイズ | 本体サイズ:φ90×高さ52mm |
材 質 | ブラシ材質:本体/ABS樹脂、ピン/オレフィン系エラストマー |
定 価 | |
商品番号 | 75191 |
美容師なら、シャンプーをする際に手を使ってマッサージを行います。しかし手だけでは取り切れない汚れには、シャンプーブラシを使うのが主流になってきています。
しかしシャンプーブラシの中には、形状が硬くて頭皮を痛めてしまうものもあるでしょう。手に馴染みやすく、頭皮の負担が少ない硬さのブラシを見つけてみてください。また髪の毛が濡れた状態でブラシを使うので、髪が引っかかりにくい、ほどよい目の粗いものを選ぶのもポイントです。
正しくシャンプーブラシを選んでも、ゴシゴシ洗ってしまったら意味がありません。できる限りやさしく扱って、リラックスしやすいほどの圧で洗ってあげましょう。
ブラッシングブラシ
サイズ | 全長:210mm、6行 |
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材 質 | 毛材質:猪毛、柄材質:ABS樹脂 |
価 格 | 美通販価格(詳細は商品ページまたは美通販カタログ内でご確認ください。) |
商品番号 | 71956 |
ブラッシングブラシとは、基本的に髪の毛を洗う前や後に使うブラシです。つまり髪の毛が乾いた状態で使うように作られており、ほこりや皮脂の汚れなどを落とす役割もあります。
頭皮を傷つけないように作られているので、パドルブラシなどのスカルプケア用として販売されているものもあるでしょう。ブラッシングのために使うのなら、毛先から解してブラッシングをし、頭皮用として使うのなら頭皮が傷つかないようにやさしく使うのが基本です。
目の粗いものだと、髪の毛が引っかかりにくくなりますが、ツヤが出にくくなります。髪の状態をよく見て、程よい目の粗さのものを選んでみてください。
天然毛のものだと、脂がちょうどよくついていて、梳かすだけで髪がキレイになっておすすめです。
クッションブラシ
メーカー | ホンゴ |
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ブランド | P-50 仕上げブラシ |
サイズ | 225mm |
材 質 | 毛材質:ナイロン+ガイド付豚毛、柄材質:ABS樹脂仕上げ |
定 価 | |
商品番号 | 23881 |
クッションブラシは台座がゴム状になっており、髪が乾いた状態でセットの際に使える上に、ブローの時も使いやすくなっています。
毛の状態も比較的柔らかいものを選ぶと、頭皮にやさしくて安心して使えるでしょう。天然毛を使っていると、髪の毛にツヤが出やすくなるのでおすすめです。静電気予防としても役立つため、髪の毛が乾燥している人に使ってあげてみてください。
コスト面を気にする人がいますが、クッションブラシは使い方の幅が広いだけに、長く使えるいい素材のものを選びましょう。
逆毛ブラシ
髪をアップにする際に、逆毛にしてボリュームを出す時もあるでしょう。その際にコームではなく、逆毛ブラシを使うと、さらに効率的に逆毛を立てやすくなります。天然毛を使っているケースが多く、髪の毛にとっても傷みにくいというメリットもあるため、美容師なら持っておいて損のないブラシです。
コームより大きいものも多いので、1回で広い範囲の逆毛が作れてしまうのも魅力的でしょう。
またセットをする前提で作られているのもあり、持ち手の先が細く作られています。スライスの際に役立つので、形状を気にして選ぶと使いやすい逆毛コームが見つかるはずです。
コームとブラシの違い
コームとブラシについて紹介してきましたが、それぞれ形状や使い方が違うのがわかったでしょう。厳密にいうと種類ごとに用途が違いますが、大まかにいうと以下のような違いがあります。
- 施術の時に使う → コーム
- セットの時に使う → ブラシ
このようにコームとブラシは、用途の時点で違いがあります。用途で違いがあるのなら、使う素材にも違いがあるのも納得できるでしょう。
もちろん見た目にも大きく違いますが、これも上記の用途に最適化された結果です。
- 美容師がよく使う → コーム
- 美容師以外もよく使う → ブラシ
あくまでひとつの目安ですが、コームは細かい作業をするためのものです。細くて軽いコームは、美容師が作業をするのに適しています。
それに対してブラシは、一般の人もよく使うアイテムでしょう。長く使えるように頑丈に作られており、握りやすさを追求した結果、コームより大きくなっているわけです。
コームブラシのお手入れ方法
コームやブラシは、手に馴染んだほうがストレスなく使えるようになります。だからこそ長く使えるようにお手入れをして、傷まない努力をしておきましょう。
もちろんそれぞれ使われる素材が違うので、お手入れの方法も違いがあります。どのようにケアをするべきかわからないのなら、参考にしてみてください。
コームのお手入れ方法
コームの場合は、細かい作業を得意としており、髪の毛が濡れた状態で使うケースが多くあります。歯の隙間に汚れが溜まりやすいので、しっかりお手入れしておきましょう。
- 水で汚れを洗い流す
- ブラシを使って歯の隙間まで汚れを払い落とす
- 消毒液を付けて乾かす
- 水分が落ちるまでしっかり乾かす
コームは湿気が付きやすい道具のひとつです。水には強い素材を使っているので汚れを洗い流して、しっかり乾かしましょう。雑菌が繁殖しやすいので、消毒をするのもポイントです。
ブラシのお手入れ方法
ブラシの場合、天然毛が使われているケースがよくあります。そこでできるだけ水を使わず、別の方法でお手入れをしたほうが無難です。
- 専用のブラシクリーナーを使う
- ピンセットなどで間に詰まったホコリなどを取り除く
- 歯ブラシなどで軽く擦って汚れを取る
ブラシをケアする時は、専用のクリーナーを使うのが無難です。それがないのなら、歯ブラシやピンセット、最悪指でもホコリなどの汚れを落としてしまいましょう。もともと頑丈に作られているので、それだけでもきれいな状態を維持できます。
ただし擦って汚れを落とす時は、強く擦りすぎないようにしてください。毛が傷んでブラシが使えなくなってしまう可能性があります。
コームブラシは用途によって使い分けすれば時短ができる!
コームブラシは、たくさんの種類が出回っており、正しく選ぶと作業がしやすくなります。特に美容師は施術をする機会が多く、素早く仕事を済ませるために時短が必要です。道具も施術ごとに用意しておき、お客様にストレスを感じさせないようにしましょう。
ブラシに関しては、お客様も利用する人も多いので、使い方のアドバイスができると信頼度がアップできるでしょう。お手入れが自分でできるようになると、長く使えて手に馴染みやすくなります。さらに時間を短縮しやすくなるだけでなく、愛着もわいてモチベーションも高められるでしょう。