一度は、やってみたいホワイトブリーチ。「ブリーチの回数、料金、アフターケアの仕方がよくわからない!」という方も多いですよね。今回は、どうしてもセルフでブリーチしたい方へのアドバイスと、美容師向けにホワイトブリーチのメリットデメリットをズバリ答えていきます。ホワイトブリーチのレシピも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Last Updated:2021/7/5
ホワイトブリーチが必要なときってどんなとき?
ホワイトブリーチは、髪を白く染めるときに必要になってきます。個人差はありますが、ブリーチの回数が3~4回を目安にすると良いです。3~4回ホワイトブリーチをした後に、普通のカラー剤で染めていくのが髪を白くするホワイトカラーの一般的なやり方。
髪を白くするホワイトカラーは、時間にすると4~5時間前後かかってくる、かなり時間のかかるメニューです。時間がかかるだけにホワイトブリーチの料金も高額で、15,000~30,000円くらいが相場。
お客様から「髪を白くしたい!」というオーダーが入ったら、ホワイトブリーチの料金や時間をちゃんと説明しておくようにしましょう。
ホワイトブリーチと「ブリーチ」の違い
ホワイトブリーチとブリーチは、2つとも同じブリーチ剤です。この2つのブリーチ剤の違いはシンプルに髪の色素を抜く力の差になります。
ブリーチに比べるとホワイトブリーチは色を抜く力が強く、髪を白くするホワイトカラーにはぴったり。ただ、ホワイトブリーチがいくら強力とはいえ1回のブリーチでは髪を白くすることはできません。
ホワイトカラーをする場合は、ホワイトブリーチを使って金髪にうっすら透明感が出てきたらホワイトカラーができる状態です。しっかりとホワイトブリーチされた髪の状態を見極められるようにならないと、必要以上にブリーチをしてしまって髪を傷めてしまう原因になります。
髪色の状態の見極めは経験が必要になってくるので、カラーモデルを使ったりして覚えておきましょう。
ホワイトブリーチのメリット
ホワイトブリーチのメリットは、ブリーチ力の強さです。ブリーチ力が強いことで得られる最大のメリットが『時短』。
ブリーチを使ったカラーをする場合、3時間以上かかることが自然と多くなります。そんなふうに大幅な時間を使うことにならないように、ブリーチ力の強いホワイトブリーチを使って時短をする必要があります。
では「なぜ時間がかかってはいけないのか?」を説明します。カラーなどで時間がかかってしまうアシスタントやスタイリストの方も意識してもらうとよいでしょう。
時間がかかってはいけない理由
ひとりのスタッフが同じお客さんに時間がかかってしまうとダメな理由がこの2つ。
- 1時間あたりの生産性が上がらない
- サロンが円滑に回らない
基本的に1時間あたり4,000円の売上が上がるようにすると美容室経営はうまく回ります。カットが4,000円だったら1時間にひとり施術する感覚です。
ホワイトブリーチを使ったカラーは、単価は高いので売上が上がっているような気がしますが、時間がかかりすぎると1時間あたりの売上が4,000円以下になってしまいます。例えば、時間生産性を1時間あたり4,000円の計算でホワイトブリーチを3回して、最後に普通のカラーを1回した場合で計算すると…
「ホワイトブリーチ×3+カラー」で合計4回のカラーです。
それを時間生産性に置き換えると、4回カラーをしているので金額を16,000円以上もらって4時間以内に終わらせないと時間生産性が落ちてしまいます。スタッフの場合、意外と時間生産性を意識しませんが、経営者にとってはとても重要です。
さらにホワイトブリーチなどで1人のお客様に付きっきりになると、他のお客様のヘルプに行けなくなりサロン全体が円滑に回らなくなることもあります。スタッフとしては、目の前のお客様を全力でやりたい気持ちはわかります。経営者からすると「目の前のお客様を早く終わらせて別のところのヘルプをしてほしい」そんな気持ちです。
サロンワークをする上で時短はとても大事なスキルなので、良かったら意識してみてください。また違った視点で働くことができます。
ホワイトブリーチのデメリット
ホワイトブリーチのデメリットは、いくつかあります。ホワイトブリーチに限らずブリーチはリスクもあるので、この部分を把握した上でメリットデメリットをお客様にも説明すると良いです。
真っ白にならない
ホワイトブリーチを1回したくらいでは、真っ白になりません。
髪を白くする場合は、ホワイトブリーチとアルカリカラーの両方が必要になってきます。最初のほうで一度説明しましたが、ホワイトブリーチの回数も3回~4回必要です。お客様は、1回ホワイトブリーチしたらどんな色のカラーもできると思っている方が多いので、しっかりと説明をしましょう。
髪や頭皮にダメージがある
ホワイトブリーチを使うと髪や頭皮への負担は大きいです。美容室の中でもブリーチは縮毛矯正と並ぶ、最も髪へのダメージが大きいメニューのひとつ。ヘアケアも相当こまめにしないと髪も頭皮もボロボロになってしまいます。
特に、この2つに当てはまる人はブリーチをすると危険です。
- 縮毛矯正している
- 頭皮に湿疹がある
ひとつずつ説明していきます。
縮毛矯正をしている
縮毛矯正をしている髪は、150度以上の高温の熱処理が施されています。
髪がストレートになる縮毛矯正は、一見サラサラに見えて髪のダメージもないように見えますが、実はかなり傷んでいる状態。その上からブリーチをしてしまうと、ひどい場合は髪が溶ける可能性も十分にあります。
実際に私は、他店から来店されたお客様で髪が溶けてしまっている方の施術の経験もしました。カウンセリングの際に縮毛矯正の有無を聞いて注意しましょう。
頭皮に湿疹がある
これは、言うまでもなく頭皮に湿疹がある状態でのブリーチは危険です。頭皮に湿疹がなくてもブリーチがきっかけで湿疹ができる場合もあります。ブリーチを塗って頭皮がかゆくなってきたら直ちにやめましょう。
腕や足と違って、頭皮に湿疹ができると薬も塗りづらく厄介です。お客様にブリーチを塗るときは、頭皮の状態を確認した上で塗っていきましょう。
パーマがかけられない?
ホワイトブリーチをすると基本的にパーマはかけられなくなります。ここで“基本的に”と説明したのには訳があって、「ブリーチ パーマ」で検索するとパーマができる美容室が出てくるからです。
実際問題、パーマはかけられますが、ブリーチしているとイメージしたようなパーマができないので「パーマがかけられない」と説明しています。
ネットで探して、パーマがかけられる美容室があっても、ブリーチやパーマの専門性が高い特化型美容室の場合が多いです。特化型美容室は、料金設定が通常よりも高いので通常の料金よりも高い金額を払ってでもパーマがしたい人にはおすすめと言えます。
ホワイトブリーチはセルフでもできる?
ホワイトブリーチのセルフは、おすすめしません。理由は簡単。失敗する確率が高過ぎるからです。詳しく理由を説明していきます。
色ムラになる
泡カラーのような普通のカラーであれば、セルフでしても髪色がそこまで明るくならないですし、失敗しても目立ちません。
ホワイトブリーチだと髪色がかなり明るくなるので色ムラがハッキリと出ます。
ホワイトブリーチは、塗るスピードが遅かったり塗布量を間違っても色ムラになったりするので、プロからするとおすすめできません。色ムラになってしまったら美容室に行っても完全に修正することはできないので、セルフのホワイトブリーチは危険です。
どうしてもセルフでホワイトブリーチがしたい人へ
それでも、いろんな理由があってセルフでホワイトブリーチをしたい人はいます。どうしてもセルフでホワイトブリーチをしたい人は、この3つを守ってください。
- 髪を濡らす
- 髪にうっすらリンスをつける
- 時間を置きすぎない
髪を濡らしてリンスをつけることで、ホワイトブリーチを塗るスピードが抜群に上がります。スピードが上がれば塗る時間差で色ムラになるリスクを限りなく抑えることができます。これをするだけで本当に変わってくるので、セルフでホワイトブリーチをしたい人は、試してみてください。
ホワイトブリーチを塗ったあとは、時間を置きすぎてはダメです。たまに「時間を置けば置くほど色が抜ける」と思って1時間近く放置する人がいます。必要以上の放置は、頭皮の炎症の原因になったりするのでやめましょう。全体的に塗り終わったら20~30分くらいを目安に置くといいです。
ホワイトブリーチにおすすめのサロン専売ブリーチ剤
一言にホワイトブリーチと言っても種類が豊富にあります。個人的におすすめのホワイトブリーチを紹介していきますので、参考になれば嬉しいです。
シュワルツコフのファイバープレックスは、おそらく『現役の美容師の中で最も人気のあるブリーチ』ではでしょうか。
このファイバープレックスは、シュワルツコフが「枝毛、切れ毛を98%削減」とうたっている究極のダメージ防止ブリーチです。実際にブリーチをしてみても、他のブリーチと違い手触りが良くサロンワークで重宝します。
ファイバープレックスはブリーチをした後にカラーをした場合の色持ちも通常のブリーチより良いという結果も出ている優れもの。どのブリーチを買おうか迷っている場合は、とりあえずファイバープレックスを買えば間違いないです。
メーカー | シュワルツコフ |
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ブランド | ファイバープレックス |
サイズ | 450g |
使用オキシ | イゴラオキシジェンタ(6%) |
混合比 | パウダー1:オキシ2~3 |
サロン価格 | |
商品番号 | 113973 |
マニックパニックのホワイトボムハイブリーチセットは、2つ利点があります。
- 明るくなるスピードが早い
- オキシを買わなくていい
カラーバターで有名なマニックパニックですが、ブリーチも発売しています。このマニックパニックのブリーチは、セルフでホワイトブリーチをしたい人におすすめです。オキシ(過酸化水素水)も一緒についているのでブリーチ剤とは別にオキシを買う必要がありません。
さらに、このホワイトボムハイブリーチは明るくなるスピードが通常のブリーチよりも早いのが特徴。通常のブリーチ場合、じわじわとリフトアップするのですが、ホワイトボムハイブリーチは一気にドカンと髪が明るくなります。
サロンワークで時短をしたいときにも使えるメリットもあるので、ひとつあると使い勝手がとても良いです。放置時間は最大でも40分になっています。
メーカー | マニックパニック |
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ブランド | ホワイトボム |
サイズ | 30g+90ml |
混合比 | パウダー1:オキシ2~3 |
定 価 | |
商品番号 | 104564 |
ホワイトブリーチ後のヘアケア
ホワイトブリーチをする上でヘアケアは必須です。どんなにキレイなカラーをしても髪がパサパサで痛んで見えてしまっては本末転倒。お客様にホワイトブリーチを提案するときは、ヘアケアのやり方も一緒に説明しましょう。
黄ばみをおさえるためのヘアケア
ホワイトブリーチをして色落ちしてくると髪にだんだんと黄ばみが出てきます。髪に黄ばみが出るのと少し茶色っぽく見えたりするので髪色の透明感が失われ、せっかくしたカラーが台無しになってしまいます。
そんなときは、カラーシャンプーなどを使って黄ばみ対策をすることが大事です。黄ばみ防止のカラーシャンプーは、いろいろなメーカーが出していますが、シュワルツコフやエンジェールズのカラーシャンプーを使うことをおすすめします。
ホワイトブリーチを使ったカラーをして数日経つと髪に黄ばみが必ず出てくるので、ざっくりですが一週間を目安にカラーシャンプーを使ってあげると良いです。
髪や頭皮のケア
髪の黄ばみ対策と同じくらいホワイトブリーチ後の髪や頭皮のケアも大事。
女性の方だったらシャンプー&リンスだけでは髪がごわついてスタイリングが難しくなるので、流さない(アウトバス)トリートメントをつけてあげると良いです。ブリーチをした髪は乾燥しているので、オイル系の流さないトリートメントを使うと髪が保湿されてパサつきを抑えてくれます。
ブリーチは通常のカラーより強力な薬剤なので、人によって皮膚に合わない場合もあります。もしブリーチ後に頭皮に湿疹が出たりした場合は、皮膚科に行くようにしましょう。
美容師さん向け ホワイトブリーチのレシピ
髪を白くするホワイトカラーで必要なのがブリーチと最後に塗るカラー剤です。最後に塗るカラー剤を少しでも配分や放置時間を間違えると全く違う色味になります。
1.ホワイトブリーチ
まずは、ホワイトブリーチで髪を3回ブリーチ。抜けが甘かったら4回してください。3回ブリーチをして髪が透明感のあるペールイエローになったらOKサインです。この上から、カラー剤を塗りましょう。
2.使用カラー剤
アッシュ系とパープル系の13レベルで、オキシは6%の2倍です。
3.塗るときのポイント
ポイントは、超高速で塗ること! スピードが遅いと塗ったところから色が入っていきますので色ムラになります。スタッフが空いているなら2人がかりで塗ることがおすすめです。
4.放置時間
通常のカラーのように20分放置、みたいなことはせず、常に色を見ながら『白くなった』と思ったらすぐにシャンプーしてください。ホワイトブリーチを使って髪を白くする場合は、とにかくスピードが大事なので時短の意識を常にもって施術しましょう。
5.完成後
ホワイトブリーチを使ったカラーが完成したら、色落ち対策でムラシャンを一緒に使えば完璧です。
ホワイトブリーチするなら美容室がイチバン
ホワイトブリーチのメリットデメリットについて説明してきました。ホワイトブリーチを使ったカラーの難しさを再認識していただけたことでしょう。
お客様からホワイトブリーチのオーダーがあったら、必ずこの3つの説明をしてください。
- 髪のへのダメージが高い
- パーマ、縮毛矯正ができなくなる
- アフターケアをしないとダメ
この3つをちゃんと説明してお客様が理解しないと、後々クレームになる場合もあります。説明せずにクレームになったら完全にこちら側が悪いです。それくらい、ホワイトブリーチはリスクを抱えたメニューになるので、美容師側もリスク管理をしながら施術をすることが非常に大事です。
ホワイトブリーチを使いこなせるようになればカラーの幅が広がるので、ぜひこの記事を参考にしてください。