ハイトーンカラーをより美しく発色させるシルバーシャンプー。美容師でも実際に営業で使うことは珍しく、効果や使い方をあまり詳しく知らないという人も少なくありません。
この記事ではシルバーシャンプーの効果や使い方、おすすめ商品等を紹介。シルバーシャンプーを使いこなして綺麗な髪色に仕上げたいという人は参考にしてみてください。
シルバーシャンプーとは
シルバーシャンプーとは、カラーシャンプーの一種です。まずはシルバーシャンプーの効果や、髪が染まる原理について解説していきます。
シルバーシャンプーにはどんな効果があるの?
シルバーシャンプーには以下の効果が期待できます。
- ハイトーンカラーの赤味を抑える。
- アッシュ・ブルー系カラーの色味をキープする。
これらの効果から、髪質や残存色素の関係で赤味が出てしまうハイトーンカラーをアッシュ系にしたい場合や、アッシュ・ブルー系カラーを長く維持したい場合に使用します。
どうしてシルバーシャンプーで髪が染まるの?
シルバーシャンプーを含むカラーシャンプーの多くは「HC染料」という塩基性カラーが含まれています。この塩基性カラーは、ヘアマニュキアでお馴染みの酸性カラーにも良く似た成分。酸性カラーと同じくイオン結合によって髪を染めます。
塩基性カラーは髪のマイナス電子と結びあうことで発色する性質を持つカラー剤。髪は基本的にプラスの電子を多く持つため、酸性カラーと比較すると染まり難い傾向にあり、持続力も弱いため色落ちしやすいのも特徴のひとつです。
この特徴を活かしてシャンプーに配合しているため、基本的にカラーシャンプーでは髪がほんのり色付き手や肌はほぼ染まりません。
シルバーシャンプーに関する疑問にプロがお答えします
馴染みの少ない人にとっては、未知の製品とも言えるシルバーシャンプー。しかし、正しい使い方や効果を理解して使用すれば、髪色をさらに美しく仕上げるサポートアイテムになります。続いては、今さら聞けないシルバーシャンプーに関する疑問にお答えしていきましょう。
シルバーシャンプーの正しい使い方は?
シルバーシャンプーは、他のシャンプー同様プレシャンプー後に手のひらで泡立てて塗布。シャンプーをして髪全体に泡を行き渡らせ5~10分程度放置します。放置時間については製品の使用方法を良く確認しましょう。規定の放置時間が終えたら、しっかりと泡を流し、トリートメント(またはコンディショナー)をします。
シルバーシャンプーの頻度はどのくらい?
求める髪色にもよりますが、基本的に1週間に2~3回を目安として使用します。赤味を抑える目的で使用する際には、少し回数を増やしても良いでしょう。ただし、既にブリーチで15トーン以上になっている場合、あまり頻繁に使い過ぎると希望しているよりも濃い色合いになってしまうことがあります。
希望するよりも髪色が濃くなってしまった場合、希望の色合いになるまでシルバーシャンプーの使用を控えると自然と退色していきます。
シルバーシャンプーは白髪に使うとどうなるの?
シルバーシャンプーを白髪に使うと銀髪のようなグレーヘアーや外国人のようなプラチナブロンドの仕上がりが期待できることもあります。
日本人の白髪はやや赤みがかっていることが多く、白髪を放置していてもなかなか外国人のようなプラチナブロンドにはなりません。シルバーシャンプーで赤味を抑えることで、くすみ感のある白髪ヘアになります。
ただし、透明感のある白髪ヘアを目指す場合にはシルバーシャンプーよりもムラサキシャンプーのほうが適していることも。白髪率や、なりたいイメージに合わせてどちらを選ぶのか検討しましょう。
シルバーシャンプーはブリーチなしの髪でも効果ある?
シルバーシャンプーで染まる色味はほんの僅か。基本的に13トーン以下では、染まり具合等はほとんど見分けられないでしょう。基本的にブリーチをしていない髪には効果が期待できません。
ただし、アッシュ・ブルー系カラーだけは例外。13トーン以下でも、アッシュ・ブルー系カラーにシルバーシャンプーを使うと、通常よりも色持ちをキープできます。
ムラシャン(紫シャンプー)との違いは?
シルバーシャンプーとよく似た製品の「ムラサキシャンプー」。美容師の中では通称「ムラシャン」とも呼ばれ、その名の通り紫の色素が配合されています。
ムラサキシャンプーは主に、黄色の髪をホワイト系カラーに近付ける際に使うものです。ブリーチをして黄色くなった髪に、補色である紫色をのせることで髪は無彩色のホワイト系カラーに仕上がります。
ムラサキシャンプーは、シルバーシャンプーと同じくアッシュ・ブルー系カラーの色味キープには多少効果が見込めますが、赤味を抑えることはできないので要注意。赤味の髪に使うと、より赤色を濃くしてしまう場合もあります。
シルバーシャンプーを使っても効果が出ない、出にくい髪色は?
赤味が強すぎる髪色や、12トーン以下のブラウン系カラーではシルバーシャンプーの効果は感じにくいでしょう。アッシュやブルー系カラーでも8トーン以下でブラウンを配合している場合は、効果を感じにくいでしょう。
シルバーシャンプーの選び方
数多くの製品の中からシルバーシャンプーを選ぶ際には以下の点をよくチェックして、使用用途や髪質に合わせたものを選びましょう。
赤味消しにはマット感の強いものを選ぶ
シルバーシャンプーは、どれもが完全なシルバーじゃなく製品によってアッシュ系に傾いているものや、マット系に偏っているものも。シルバーシャンプーに配合されるHC染料はヘアマニキュアのように染料そのものの色味が見てとれます。
サンプル等をもらえるのであれば、シルバーシャンプーの液剤を見せてもらえばどちらの色味が強いのか判断できるでしょう。赤味消しとしてシルバーシャンプーを使用したい場合は、マット感の強い製品がおすすめです。
適度な染まり具合のものを選ぶ
シルバーシャンプーは製品によって色素の配合量や染まり具合が異なります。カラーシャンプーの性質上、一度の使用では染まり具合の判断が付きにくく最低でも1週間は使ってみないと判断できません。
メーカーによっては、シルバーシャンプーのヘアカラーチャートを用意している場合もあるので、問い合わせてみると良いでしょう。それ以外なら、ショッピングサイトの口コミを参考にするのもおすすめ。実際に使った人の意見を参考に選んでみましょう。
美容成分配合のものを選ぶ
これまで染料を配合しているだけだったカラーシャンプー。実際に、ひと昔前のカラーシャンプーはきしつく製品が多く、ダブルカラーをした髪に使い続けられるものではありませんでした。現在はヘアカラーの普及やアイロン・コテの普及により、メーカー各社がハイダメージを前提とした美容成分配合のヘアケア製品を開発しています。
トリートメントの併用は必須ですが、カラーシャンプー自体にも美容成分が配合されているものを選ぶことで髪をより綺麗にキープできるようになるでしょう。
プロがおすすめするシルバーシャンプー
近年アッシュ系カラーが人気を集めていることから、様々なメーカーがシルバーシャンプーの開発・発売をしています。多くの製品の中から、特におすすめのシルバーシャンプーを紹介。気になるシルバーシャンプーがあれば、是非試してみて下さい。
ミルボン オルディーブカラーシリーズを取り扱っている美容室におすすめ。カラーシャンプー特有の香りも少なく、洗い上がりの指通りが人気のポイント。やや緑色の配合量が多いので赤味を抑えたい人におすすめです。
メーカー | ミルボン |
---|---|
ブランド | オルディーブ アディクシー |
サイズ | 180ml |
カラー | パープル、シルバー |
定 価 | |
商品番号 | 114492 |
お客様へのアドバイスで注意したいポイント
お客様にシルバーシャンプーをおすすめする場合には、いくつかポイントを押さえた説明が欠かせません。闇雲におすすめしてしまうと、クレームや失客につながる場合も。効果やメリット・デメリットを正しく伝えてシルバーシャンプーをおすすめしましょう。
シルバーシャンプーはあくまでヘアケア製品であることを伝える
シルバーシャンプーを使ったお客さまからのクレームで最も多いものが「染まらない」というもの。シルバーシャンプーという名前と派手なシャンプー液の見た目から、髪色が銀髪になりそうなイメージを持つお客様も多いです。
実際は一日の使用で劇的な変化が起きることはなく、長期間使って初めてアッシュ・ブルー系カラーが通常よりキープできていると感じられるもの。赤味を抑える目的で使用している人は、徐々に赤味が抑えられていくためシルバーシャンプーの使用を止めて初めてその効果に気付くことでしょう。
シルバーシャンプーはあくまで退色防止用ヘアケア製品であって、ヘアカラー製品ではないという点を事前に伝えておきましょう。
流し残すと浴室の着色汚れに
手や肌に残りにくいシルバーシャンプーですが、白を基調とした浴室では目立ちやすい場合があります。シルバーシャンプー使用後、しっかりと浴室に残ったシルバーシャンプーを洗い流すようお伝えしましょう。
浴室や浴槽にシルバーシャンプーが付着したまま放置してしまうと、色がついてしまうことがあります。
赤味を消せる訳ではない
シルバーシャンプーは赤味を抑えることができるものの、赤味を消せるわけではないという点を必ず説明しましょう。アルカリカラーが色素を脱色して染毛するのに対して、シルバーシャンプー等の塩基性カラーに脱色性はありません。
シルバーの色味を重ねて赤く見えないようにしているだけで、シルバーシャンプーの使用を止めると髪本来の赤味が戻ってきます。
お客様の中には、一定期間使い続けることで赤味を「染めて」くれるものと勘違いしている場合も。本当の意味で赤味を消すにはアルカリカラーによる染毛が必要であることは事前に伝えておかなければいけません。
シルバーシャンプーでヘアカラーの満足度を上げよう
ヘアカラーをより美しく保つためのツールとして、シルバーシャンプーをはじめとするカラーシャンプーが注目を集めています。お客様に質問された際、疑問にしっかりと答えられるようにシルバーシャンプーについての見識を深めておくと良いでしょう。
実際に使いこなせると、カラーの持ちや発色コントロールに最適な製品です。適したヘアカラーや髪質のお客様におすすめして、ヘアカラーの満足度アップを目指してみてください。
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