メイクパーツの中で最も相手に印象を与えるのが「眉メイク」ですね。ですが、朝の忙しい時間に眉を上手く描ける人は少ないものです。そんな時に考慮したいのが眉アートです。眉アートはそうした朝の忙しいメイクのスケッターとして活躍してくれます。他にも、眉アートにはたくさんのメリットがありますが、デメリットもあります。ある程度、眉アートの知識を得てから望まないと皮膚疾患をはじめとした様々なトラブルに遭遇してしまいます。ここでは、眉アートについて詳しく見ていきましょう。
眉毛のアートメイク「眉アート」
眉アートとは、深さ0.02m~0.03m程度の浅めの眉部分にマイクロニードルと言う専用の針を使用して色を入れていくという美容技術です。その方の眉毛の生え方、流れに沿うように緻密に色を入れていく手法です。まるで自分の眉毛のように自然な仕上がりに仕立てることも可能です。
こうした眉アートの施術法は基本的にタトゥーと同じ過程です。ですが、大きな違いは入れる色の深さです。タトゥーは、角質層から2mmくらいの深めの箇所に入れるため、自然に色が薄くなることはありません。
一方で、眉アートは、角質層から0.02mm~0.03mmと浅い部分に入れるため、新陳代謝により段々に薄くなります。個人差はあるものの、約1~2年をかけて薄くなるため、その後はリメイクすることも可能です。眉は時代により流行があるため、こうしてリメイクできることはユーザーにとって好都合と言えるでしょう。
後ほど詳しく述べますが、眉アートには「機械彫り」と「手彫り」などの技法があり、ニーズに合わせた施術法を選ぶことができます。
眉アートをおすすめしたい人
眉アートは、以下のような方におすすめです。施術してみると、眉関連の悩みが緩和されるかもしれませんよ。
- ズボラでメイクに時間を費やしたくない人
メイク経験の浅い人や苦手意識のある人ほど、バランス感覚が問われる眉メイクは苦手なもの。特に、朝の貴重な時間を眉メイクで数十分もとられたくないですね。そんな時、眉アートが施されていれば、時短効果にもなるでしょう。 - 汗や水に強いメイクがしたい
眉アートは、スポーツをやっている方や、汗をかきやすい体質の人にもぴったりです。スポーツ後に鏡を見たら眉が消えていた。なんていうハプニングもなくなるでしょう。 - スッピン姿でも堂々としていたい
芸能人をはじめ、Instagramにもスッピン姿を公開する人がいるくらい、女性のスッピンは定番になりつつあります。ですが、いくらスッピンでも、眉が薄過ぎたり無かったりしたら、顔がボヤけて見えたり印象が薄かったりしてしまうでしょう。そんな時、眉アートが施されていれば、スッピンでも堂々としていられそうですね。 - 眉を描くのが苦手
メイク中でも、バランスやアート感覚が問われるのが眉メイクです。他のパーツとのバランスを見ながら自分にぴったりの黄金比率眉を描くのはなかなか難しいですね。殆どの女性が眉メイクに時間がかかりがちです。眉が上手く描ける日もあるのに、翌日は眉が上手くいかないなど、眉メイクが安定しない方にも良いです。
眉アートの技法①
機械彫り
機会を使用して肌に均等に色素を入れていく技術です。通称「2Dアートメイク眉」や「ベタ塗り」などと言われています。カラーが皮膚にしっかり入るタイプなので、手彫りと比較すると色持ちが良いです。
眉アートの技法②
手彫り
きめ細かい自然な眉毛を描いてもらいたいのであれば、「3Dアートメイク眉」「パウダー眉」などの手彫りという技法が良いでしょう。これらは濃いめに色が入る2Dアートメイクよりも退色が早めであると言う特徴があります。
眉アートの技法③
コンビネーション
機械彫りと手彫りを融合させたアート技術です。どちらのメリットも取り入れられるため、しっかりした濃さと繊細な線が描けます。どちらの技法も取り入れてみたい方向けの技法と言えます。
眉アートの施術の流れ
いざ、「眉アートに挑戦してみよう!」と思ったら、さっそく医療機関を探しましょう。クリニックのホームページを中心にリサーチすることになりますが、その中でも眉アートの施術過程がしっかり案内されていることがポイントです。
眉アートの施術の流れ①
カウンセリング・診察(所用時間30分ほど)
肌のトラブルやアレルギーなどがないかの問診をもとにカウンセリングを進めます。施術による注意点などの説明もあるでしょう。
眉アートができない人
眉アートは誰もができる訳ではありません。以下のような方は施術を控える必要があります。
- 金属アレルギー
- 妊娠中、妊活中、授乳中
- 重度の皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、ニキビ、アレルギーなど)
- 心疾患、糖尿病などの持病
- 麻酔などでアレルギー反応が出たことがある
他にも、様々な疾患や体質などにより施術できないケースもあります。
施術料金
眉アートの施術料金はクリニックにより違いがあり、80,000円~100,000円くらいの幅で設定されていることが多いです。「ここのクリニックは安い」と安易な気持ちで決定するのではなく、施術実績、衛生管理口コミなどの総合的な面からベストな医療機関を選ぶようにしましょう。
眉アートの施術の流れ②
デザインを決定する
その人の目や口、鼻、顔の大きさなど総合的バランスを考慮した上で、どのような眉にしたいのか(色・形・長さetc)などを患者と医師で確認します。細やかな計測でその方にぴったりの眉を提案してくれるでしょう。
眉アートの施術の流れ③
麻酔
眉アートは、唇アートよりも痛みを感じにくい箇所です。ですが、痛みの感じ方は人それぞれです。その方に合わせて麻酔をつけていきます。主に使用されるのがクリームタイプの麻酔です。それでも痛みを伴うようであれば、医師に伝え診察を受けましょう。
眉アートの施術の流れ④
施術
医療従事者により、アート用のニードルや色素、薬剤を使用して0.02mm~0.03mmの箇所を中心に色を入れていきます。施術中に寝てしまう方もいるくらい、痛みは少ないと思って良いでしょう。(痛みには個人差があります。)
眉アートの施術の流れ⑤
アフターカウンセリング
術後数日は眉の色が強く出やすくなりますが、日に日に薄く馴染んでいきます。
約1週間程度の腫れのダウンタイムなども考慮しなければなりません。また、眉アートを定着させるために2回の施術を提案しているクリニックがほとんどです。2回目はターンオーバーなどを考慮して1ヶ月後が妥当です。その他、施術後の不安があれば聞いておくと良いでしょう。
眉アートの施術の流れ⑥
自宅でのセルフケア
無事にクリニックでの施術が終了したら、いよいよ自宅でのセルフケアに入ります。クリニックによっては、アフターケアに使用する塗り薬が処方されることもあります。また、次回の診察まで患部を刺激させないことを目的とする様々な注意事項を厳守する必要があります。
セルフケアを怠ると、眉アート部位に肌トラブルが生じたりするでしょう。
眉アートの施術の流れ⑦
再診察(目安2週間〜1ヶ月後)
自宅でのセルフケアをしっかりしながら、2週間~1ヶ月後には再診を受けるようにしましょう。安全性は高いと言っても、異物を体に入れるため、何らかの拒否反応が出る場合があります。セルフケア中に少しでも施術部に異変を感じたならば、予定よりも早めの再診察が望ましいです。
眉アートのメリットとデメリット
タレントさんやモデルさんがInstagramなどで素敵な眉アートを公開しているのを見ると自分もやりたくなりますね。ですが、眉アートはメリットとデメリットが同じくらいあるのです。ここでは、眉アートのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
眉アートのメリット
眉アートをすることでたくさんのメリットを得ることができます。今までメイクに自信がなかった人が眉メイクをすることでメイク好きになることもあるでしょう。ここでは、眉アートのメリットをいくつかご紹介します。
眉アートのメリット①
とにかくメイクが楽になる
メイクの中でも眉は時間がかかる部分です。忙しい朝ほど、慌てて眉を描いて失敗してしまうケースも多いでしょう。ですが、眉アートを施すことで、面倒な眉メイクの時間が省かれるため、メイク全体の時間が短縮されます。その分、他のメイク部位をより綺麗に仕上げることができたり、他のことに時間を費やしたりすることができますね。
眉アートのメリット②
眉メイクに自信をもてる
眉メイクはいわゆる、アート的センスも問われる部分です。メイク自体が苦手な方は特に眉メイクに苦戦する傾向があるでしょう。眉アートをしていれば、苦戦せずにバランスのとれた美しい眉が常に保たれているため、眉メイクに自信を持てるでしょう。
眉アートのメリット③
加齢や病気などで失った眉を復活させることができる
眉アートは、抗がん剤治療や、脱毛症などにより眉毛を失った方も活用しています。ですが、眉アートをしようとしている人が、抗がん剤などの薬剤を使用していたり、疾患治療が継続していたりする場合は、主治医の許可が必要です。
眉アートのデメリット
眉アートは、画期的な美容技術ですね。ですが、デメリットがあることも把握しておく必要があります。これから眉アートを施そうと思っている方ほど必見ですよ。
眉アートのデメリット①
皮膚疾患を抱えている方は要注意
アトピー性皮膚炎、アレルギー疾患など様々な皮膚疾患を抱えている方もいます。そうした方が、眉アートを施すと、薬剤により皮膚疾患が以前よりも酷くなったり、化膿しやすくなったりします。まれに今まで何の疾患もなかった方が「眉アートを施したら皮膚疾患を引き起こした」という例もあるでしょう。
眉アートのデメリット②
MRI問題
施術時に使用する薬剤の成分には、金属類が含有されています。精密検査などで使用されるMRIは金属類に反応しやすい特徴があります。さらに最新のMRI機器はより色素をとらえやすくなるでしょう。
この問題は、タトゥーにも同じことが言えます。何らかの疾患を患った時にMRIで鮮明な検査が受けられなくなるのは相当なデメリットと言えるでしょう。ですがMRIの機器によっては、問題なく受けられるケースもあるため、必ず眉アートをしていることを医師に告げてください。
眉アートのデメリット③
すぐに除去することが困難
眉アートを除去しようと思った時は、タトゥーと同じようにレーザー除去をすることになります。また、除去を目的としたクリームもありますが、即効性がないため薄くなるには長い年月がかかるでしょう。
失敗しないための眉アート
眉アートを施術すると、仕上がりに不満があってもすぐに修正することは難しくなります。そのため、クリニック選びからアフターフォローまでの一連の過程がしっかりしていなければならないでしょう。
眉アートのような医療行為は珍しいものではなくなり、全国でかなりの数のクリニックがメニューとして設けています。その中から、自分の目や耳でしっかりとした情報を察知して選ぶ必要があります。
1.眉アートは医療行為
眉メイクのようなアートメイクは立派な医療行為です。そのため、医師や看護師(医師からの指導を受けている)のような医療従事者が施術を行う必要があります。
※平成13年11月8日、厚生労働省より針先に色素を付けながら皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為は、医師免許を有していない者が業として行えば医師法第17条に違反するという通知が出されています。
2.違法サロンではないか要確認
中には、医療従事者でない者がアートメイクを施している違法サロンもあります。自分の大切な体をお任せするわけです。ですから、そのような医療行為に反したサロンでないかを要確認しましょう。
3.クリニック選びは実績で選ぶ
眉アートは、技術だけでなく安全性も問われます。クリニック選びをする時は、どのくらいの症例実績があるかをしっかり確認しましょう。クリニックのホームページがあれば、奨励実績数や奨励写真などを参考にすると良いですね。
また、実際にそのクリニックで眉アートを受けたことがある方がいれば、どのようなカウンセリングやアフターフォローがあったのかを詳しく聞くと良いでしょう。
4.カウンセリングで希望通りの眉になるか確認
眉アートを行う前には、必ず30分程度のカウンセリングを受けることになります。自分の希望に近い雑誌の切り抜きなどを持参し、カウンセリング時に伝わりやすいようにしましょう。
カウンセリングでは、その方の顔パーツに合わせた眉の黄金比率を計測してくれたり、実際にペンシルで描いてくれたりします。不安なことはカウンセリング時にしっかり伝えることが大切です。
5.施術後のアフターケア
実は、施術後のアフターケアが眉アートの成功の鍵になると言っても過言ではありません。数日〜数週間の間は、クリニックが提案するアフターケアや注意事項をしっかりと厳守して、次回の再診や2回目の施術に備えることが大切です。アフターケアの内容はクリニックによって多少違いはありますが、主な内容を以下に記載します。
- 次の再診までクリニックから処方されたワセリンなどを施術箇所に塗る(施術部を乾かさないようにするため)
- 術後24時間は施術部に対して洗顔やスキンケアをすることは控える(24時間経過後は摩擦をかけないように優しく丁寧にスキンケアをする)
- 眉アート部分に対するメイクは1週間ほど控える
- ハードな運動やサウナ、岩盤浴などは数日避ける(代謝が良くなり退色しやすくなるため)
- 術部からの感染を避けるため、プール、温泉などの公共的な施設は避ける。
- 直接紫外線などにあたらないようにする
6.皮膚疾患やアレルギーのある方は要注意
特に注意したいのが、皮膚疾患やアレルギーをお持ちの方です。直接皮膚に薬剤や色を入れるため、肌疾患が重症化してしまうケースもあります。そうなれば、せっかく綺麗な眉を得ても肌がボロボロになってしまうため、メイク全体の仕上がりはマイナスになってしまいますね。
挑む前に知っておきたい眉アートのメリットとデメリット!
タレントやモデルが眉アートしている姿を見ると「私もチャレンジしたいな!」なんて思ってしまいますよね。ですが、安易に飛びつくのはやめましょう。なぜなら、眉アートはメリットが豊富な分、リスクも高めです。
もし、「眉アートに興味があり、クリニックを探している」という方は、眉アートのあらゆるリスクをしっかり把握して判断してくださいね。
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