美容師が仕事をする上で必須道具と言えばハサミですよね? 切れ味が落ちるとお客様の髪を傷める原因にもなります。結論、売上が高い美容師でハサミの手入れをサボりがちな人は少ないです。
そこで今回は、基本的なハサミの手入れ方法をシェアしていきます。誰でも簡単にできるので実践しやすいです。
ハサミのお手入れは毎日すべき?
ハサミの手入れは毎日したほうが良いと思います。なぜなら、カットをするときのほとんどが髪の毛を濡らした状態で行うからです。濡れた髪に対してカットすると、ハサミが濡れて錆びの原因にもなります。できる範囲で良いのでハサミの手入れは毎日するように心がけましょう。
ハサミの手入れをしないリスク
お客様からたまにこのような意見を聞きます。
「前回の美容師さんカットのときに髪を引っ張られて痛かった」
この原因は、ハサミの切れ味です。
ドライカットが当たり前の時代だと思います。ウエットカットと比較してドライカットは髪を引っ張る可能性が高いです。美容師さんでハサミの手入れをせずにドライカットをしてる人がいたら、危険なので気をつけましょう。知らず知らずのうちに、お客様は不満を抱えています。
美容師のハサミお手入れの手順
美容師のハサミの手入れ方法を紹介していきます。順番が大事になってくるので間違わないようにしましょう。5つの手順で進めていきます。
美容師のハサミお手入れの手順①
ハサミの汚れを落とす
まずはハサミの汚れを落としましょう。拭き取る際はやわらかめの布やタオルでOKです。髪の毛や水分などが必ず付いていると思うのでキレイに拭き取ってください。水分が付着しているとサビや劣化の原因になるため毎日の拭き取りがマストです。
万が一、パーマ液がついてしまった場合はお湯やアルコールを使って拭き取りましょう。パーマ液は酸化の原因になり、腐食してハサミの寿命を縮めてしまいます。普段のサロンワークからハサミにパーマ液が付かないように心がけることも大事です。
美容師のハサミお手入れの手順②
セーム革で拭く
ハサミの汚れを落としたら、セーム革でさらに拭き取っていきます。セーム革には裏と表があるので、手触りがしっとりする面を使うようにしましょう。ポイントはセーム革を2重に折って刃元から刃先に向かって拭くようにすることです。
ハサミを使用していると開閉の際に刃同士が擦れ合います。そのときに生まれる摩擦で「バリ」と言うごく微量な金属のクズがでるんです。このバリがある状態だとハサミの切れ味が劣ってしまう原因になります。セーム革でバリをキレイに取ることで切れ味が戻るので丁寧にハサミを拭きましょう。
あと、セーム革自体が汚れている場合は注意が必要です。セーム革は定期的に中性洗剤で洗って陰干しをするだけでOKなので、こちらの手入れも忘れずに!
美容師のハサミお手入れの手順③
オイルを足す
ハサミの開閉を良くするためにオイルを足しましょう。
- ハサミの刃を開いた状態でネジ部分の隙間に垂らすようにします。オイルの量は1~2滴くらいで十分です。
- オイルを垂らしたら、何度か開閉をしてネジ部分に馴染ませます。
- 次にオイルをティッシュで刃全体に広げていきましょう。
- 全体的に広がったら、もう一度開閉をして終わりです。
もし、オイルを垂らしたときに「ちょっとオイルの量が多いな!」と感じたら拭きとって調整をしてみてください。
美容師のハサミお手入れの手順④
ネジの確認と調整
ネジの確認と調整です。ネジの締まり具合に関しては多少の好みがあると思うので目安にしてみてください。
ちなみにネジを締める際は専用のネジ回しと手動でできる手巻きの2つがあります。使用しているハサミが専用のネジ回しが必要なものだったら準備しておかなければなりません。
では、ネジの締まり具合を確認する方法を説明します。
ハサミを持って刃先を上に向けた状態で刃が閉じてしまっていたらネジが緩い可能性が高いです。逆に刃が全く動かなかった場合は、ネジの締めすぎなのでカットの際に無駄な力が入ってしまいます。
セニングも同様の仕方で確認をしてもらって問題ありません。
ネジの締まり具合のバランスが最も良いのが、刃が完全に閉じ切らず1~2cmくらいの位置で止まるぐらいです。
美容師のハサミお手入れの手順⑤
切れ味の確認
最後にハサミの切れ味の確認です。「美容師さんのハサミ手入れ後の切れ味確認はティッシュで切る」というやり方がありますが、おすすめしません。なぜなら、ティッシュだと確認する上で不十分だからです。
そもそも、ハサミは髪を切るための道具です。切れ味を確認するなら、ティッシュよりも普段カットするものに近いほうが確認しやすいと思いませんか?
古いウィッグでいいので試し切りをしてみましょう。ティッシュで確認するよりも実用的だと思います。
ハサミの手入れ方法通りにやったけど調子が悪い場合の対処法
先ほど紹介したハサミの手入れ方法通りしたけどハサミの開閉がしづらい場合は「分解」が必要です。
ネジを外して分解すると、ネジ周りに小さな髪が大量に溜まってる場合があります。その部分をセーム革でキレイに拭き取ってあげましょう。そうすると開閉がスムーズになります。
ただし、分解するときは思った以上に部品が出てくるので無くさないようにしてください。私自身、片付いていないテーブルで分解して部品を無くしたことがあるのでご注意を!
美容師の仕事道具ハサミの保管方法
ハサミの保管方法は至ってシンプルです。ハサミ同士が重なり合ってたりすると傷つく恐れがあるので、独立して保管するようにしましょう。
あと、多くの美容師さんがハサミの保管はシザーケースだと思います。シザーケースに保管する場合は、シザーケースの汚れも取っておくのが大事です。
シザーケースをチェックしてみてください。髪の毛が大量に入ってないでしょうか? これだとハサミをキレイに手入れしても意味がありません。10日に1回でいいのでシザーケースに溜まっている髪などを掃除するようにしてみてください。
美容師はハサミの研ぎ方も知っておいたほうがいい?
毎日のハサミの手入れと並行して「ハサミの研ぎ」も大事です。仕事でハサミを使っていると、どうしても切れ味が悪くなります。そんなときは、ハサミを研がなければなりません。しかし、私を含めて現在の美容師さんで研げる人は少数ではないでしょうか?
慣れてないのに自分でハサミを研ぐと、切れ味がさらに悪くなる恐れがあります。無理して自分でハサミを研がず研ぎ師に任せるのがベストです。
美容師のハサミの研ぎ師はどうやって見つける?
ハサミの研ぎ師って意外と見つけるのが大変です。仕事で使う大事なハサミの研ぎをお願いするなら信用できる人にしたいですよね?
ハサミを研いでもらう場合のポイントは以下の3つ。
- ハサミを購入したメーカーにお願いする
- 同じ美容師さんから紹介してもらう
- 代替品をもらえる業者を選ぶ
ひとつずつ説明をしていきます。
美容師のハサミの手入れ
購入したメーカーで研いでもらう
ハサミを購入したメーカーにお願いして研いでもらいましょう。使用しているハサミを作っているので、研ぎに関してはベストな選択だと思います。ハサミを購入する時点でメーカーに「メンテナンスで研いでもらうことはできますか?」と確認をしておくとさらに安心です。
美容師のハサミの手入れ
美容師さんからの紹介
同業者の美容師さんから紹介してもらいましょう。美容師さんが紹介する研ぎ師なので失敗の確率はかなり低いと言えます。ネットで探して見ず知らずの人にお願いするより遥かに信頼できるのでおすすめです。
美容師のハサミの手入れ
代替品をもらえる業者を選ぶ
これはハサミを研ぎ師さんに頼むときのポイントです。ハサミをその場で研いで仕上げてもらえるのがベストですが、ハサミの状態が悪すぎると持ち帰りになります。ハサミの持ち帰りになるとサロンワークで使うハサミがなくなるので「代替品をもらえるか?」確認をしましょう。
事前に伝えておけば、持って来てくれる場合が多いです。
美容師のハサミの手入れは毎日が基本!
今回のテーマ「美容師がハサミをお手入れするときの手順とポイント」についてまとめていきます。
- ハサミの手入れは基本的に毎日する
- ハサミに水分がついてとサビの原因になる
- セーム革で拭き取ることでバリの除去ができる
- オイルを使ってハサミの開閉を良くする
- 切れ味のチェックはティッシュよりウィッグがおすすめ
- 安易に自分でハサミを研ぐと切れ味が悪化するから危険
- 手入れをしても切れ味が悪かったら研ぎに出す
- ・研ぎ師は信頼出来る人にお願いする
以上の点に注意して、美容師のみなさんはハサミの手入れをしてみてください。やはり、道具を大事に使えないと私たちのような専門職はダメだと思います。