サロンの運営を頑張ってもリピーターがつかない。「今時はリピーターがつかないのが当たり前かもしれない」と諦めてはいませんか?リピーターになってもらうためのコツを押さえておけば今すぐリピーターを増やすサロンを運営していけるのです。なぜサロンのリピート率が少ないのか解説した上で、リピーターがつくサロンの作り方も紹介していきます。
Last Updated:2021/1/28
美容室のリピート率が低い理由と対策法
「美容室どこに通ってるの?」という話をすると、「決まっていない」という回答が返ってくることが意外と多いのです。決まっているサロンがある人でも、詳しく聞いてみると、他にいいところが見つからないからとりあえずそこに通っているだけだったりと、心から満足してサロンに通っている人って実は少ないのです。
「ここいいかも!」と思って通っているうちに担当のスタイリストさんが辞めてしまって、後任の方だとイメージ通りには仕上がらなかった、なんてことも少なくありません。
このように決まったサロンがないという人はたくさんいます。リピーターがいまいちつかないサロンには、共通した理由が隠れていることが多いのです。そこそこ集客はできているのにリピーターがうまくつかないということも珍しくありません。
では、なぜリピーターがついてくれないのか。その理由と対策法についてこれからお話ししていきます。
どこでもいい“美容室ジプシー”を集客している
「リピーターを増やしたい!」と考えた時に、まず試してみるのが初回割引などのクーポンを発行することではないでしょうか。お手頃な価格でサロンの施術を試してもらって、内容を気に入ってもらえたら次からリピーターとなってもらえることが期待できますよね。
ただ、この初回割引クーポンは諸刃の剣でもあって、とにかく集客をしようと思うばかりに余りに割り引いた価格を設定してしまうと、サロンに特にこだわりを持たない「安ければどこのサロンでもOK」といった客層を招いてしまいます。
そうなると、クーポンがなくなったり、値引き率が悪くなると、他の安価に利用できるサロンへと流れていってしまいます。これでは意味がありませんよね。
どんな客層をターゲットにするかということが焦点となってくるのです。
競合店が多すぎて自店にこれといった特徴がない
今はサロン戦国時代と言えるぐらい新規のサロンもどんどん増えていて、美容情報誌にも数えきれないぐらいのサロンの広告がバンバンと載っているのが現状です。そんな中で、目に留まるサロンにしなくては来店してもらえません。
そのためには、数多くあるサロンの中に埋もれてしまわないように、自分のサロンの特徴と言えるようなセールスポイントを開拓してアピールすることが大切です。「ここのサロンは〇〇だからいい!」とお客様に感じてもらえるようなところを作り、他のサロンと差別化を図っていくことがリピーターを呼ぶためのポイントとなります。
カウンセリングが行き届いていない
施術をする前のカウンセリングが十分にできていないことが原因で、お客様に満足して頂く仕上がりにならない場合があります。
例えばよくある例を挙げると、「〇〇cm切ってください」というオーダーを受けることって多いですよね。この“〇〇cm”ですが、意外とスタイリストとお客様の間の認識のズレがあって、結果イメージしていたよりも短くなってしまったというトラブルが起きてしまう場合もあります。
カラーやパーマにしても同じで、イメージのサンプルなどを見てもらっても全体を通してみないと正確に伝わらなかったりもします。
こういったトラブルを避けるためには、じっくりと念入りに施術前にカウンセリングをして、「こういう仕上がりはイヤだ」などお客様のご要望をしっかりと把握しておくといいでしょう。このカウンセリングがしっかりできていないとリピーターを呼び込むことができなくなってしまうのです。
ターゲティングができていない
幅広い年齢層の、いろいろなお客様に来て頂くことが理想ですが、先ほどサロンの特色を出すことが大切だとお話ししたように、全てのお客様を想定していると他のサロンとの差別化がうまくできなくなってしまう場合があります。
例えば、以前訪れたサロンでは白髪染めのカラーしか扱っていないといった店舗もありました。
そこまでターゲットを絞らなくてもいいかもしれませんが、「流行に敏感な20代に向けてオシャレな空間を作る」「ワンランク上の施術を期待している30~40代に向けて高品質のヘアケア用品の使用をアピールする」など、どういった客層をメインとして呼び込みたいのかをあらかじめ想定しておきましょう。
そして想定するターゲット層が決まったら内装や外観などもターゲット層に合わせていくことが、より効果的です。ありとあらゆるところをターゲット層好みに仕上げていくことによって、オンリーワンとなるサロンへと仕上がっていきます。
接客態度に問題がある
せっかく高い水準の技術をもっていても愛想が悪いなど接客態度に問題があってはリピーターにはなってもらえません。「接客態度がいい」ということが人気サロンになるための第一条件となるほどです。
施術を受けていて「居心地がいいなぁ」と感じてもらえるサロンであるかどうかが大切なポイントとなってきます。
自分が他店のサロンに行ったときに、その店のスタイリストの振る舞いをよく見ておいて、どういうところが心地よくて、どういうところを改善して欲しいと感じたかをチェックしておき、自身の接客に活かすようにしていくと良いでしょう。
髪のプロなのに満足できる回答が得られなかった
お客様はスタイリストなら髪に関したことは何でも知っていると思ってお店に来ます。ヘアケアに悩みを抱えていたり、ヘアトラブルを何とか改善したくてサロンを訪れるお客様も当然います。
そんな時に、スタイリストにした質問に充分に答えてもらえなかったらガッカリしてしまいますし、本当にこの人に任せても大丈夫なのかと不安を感じてしまうでしょう。
お客様に安心してサロンでの時間を過ごしてもらうためにも、ヘアケアの知識は十分に収集しておき、仮に難しい質問を受けたらすぐに調べて回答するなり、後日ご連絡するなり真摯に対応するようにしていきましょう。
「ここに来ればキレイになれる」と思えない
サロンに来るお客様は当然今よりもキレイになって帰ることを目的に来ますよね。「このサロンに来店すればキレイにしてもらえる!」と感じられなければリピーターにはなりません。
では、キレイになれるとお客様が感じるポイントは何かというと、サロンへの信頼感ではないでしょうか。スタイリストの技術や接客、サロンの雰囲気など全てを含めて「ここのサロンに任せれば間違いがない」と思ってもらえるような信頼感を得ることができたら、リピーターとなる確率はぐんと上がります。
お客様の信頼感を獲得するためには、普段のトークの中からお客様が何を求めているかを探っていくこともポイントとなります。お客様が求めているポイントをクリアしていけば、「ここのサロンは他とは違う」と感じてもらえるので、まずはニーズを探って期待に応え、信頼感を得ていきましょう。
次も来店する“理由”がない
一度は来店してもらえたお客様が次へとつながらない理由はシンプルで、「また来たい」と思わないからです。自分のお気に入りのサロンを決める基準はそれぞれですが、満足や納得をしてもらえないと、「またこのサロンに来よう」とはなりません。
これまでお話ししてきた項目を踏まえて、また利用したいと思ってもらえるサロンを目指していきましょう。
そして、意外と盲点になるのが、サロンをリピートしない理由に「次回の来店を勧められなかったから」というものもあります。
最後にお見送りをする時に、「また是非ご来店ください。お待ちしております」と一言サッと添えるだけでも印象はグンと変わってきます。たった一言添えるだけで、サロンでの時間の印象も良くなりますし、自分は歓迎されているのだとお客様は感じます。
施術中にトークが盛り上がったお客様なら、次回のお約束も聞いておくとさらに効果が期待できます。予約をしてもらえたらそのままリピーターとなってもらえる確率も大きくアップするので頑張っていきましょう。
美容室版リピート率の出し方
美容室のリピート率の出し方は使っているPOSシステムによって算出方法が異なってきます。リピート率の出し方は「月単位」のものと「日単位」のものに分かれることになります。
月単位の場合だと、施術をしてから3ヶ月以内にどのぐらいのお客様がまた来店してくれるかがリピート率の算出方法です。ただし、4月30日に来店した場合でも4月分の計算となるため、4月1日に来店した人と比べると約1ヶ月ほどの差が生じてしまうことになります。
そして、日単位の場合だと、90日で計算をしていきます。きっかり90日で計算していくため、ズレが生じることなくリピート率を算出することができます。
ちなみに、90日で算出した場合の新規客のリピート率は僅か30%程度という数字が業界平均値として出されています。既存顧客の90日リピート率は70%程度なので、いかに新規客を既存顧客へと変えていくことができるかがリピーターを増やすための鍵となるわけです。
美容室のリピート率を上げるための接客方法
では、最後にサロンのリピート率を上げるために今すぐ実行できる接客方法についてお話ししていきます。技術があるのは大前提として、後はお客様の中でどれだけまた来店したいと感じてもらえる雰囲気づくりや接客をしていけるかがポイントです。
お客様にとって魅力的だと思ってもらえるサロン作りの秘訣をお伝えするので、ぜひ取り入れてみてください。
カウンセリング
お客様にリピートしてもらうためには、お客様の要望にどれだけ応えられるかが鍵となります。そんなお客様のニーズを正確に読み取るために必要なのがカウンセリングです。
しかし、初対面の状況で「何か困っていることはありますか?」と尋ねても、いきなり悩みを打ち明けることに抵抗を感じるお客様もいるかもしれません。そこでおすすめしたいのがカウンセリングシートを使うことです。
例えば、フケ・かゆみなどよくある悩みや要望をチェック方式で作成して該当する項目にチェックしてもらう方式にすれば、手早くお客様の情報をキャッチすることができます。
そして最後に自由記述方式で、サロンに求めていることやお悩みを記述してもらうようにするとより正確にお客様のニーズをつかみ取ることができます。
名刺
お客様を呼び込むためには名刺を配ることもかなり有効な方法と言えます。名刺を渡さない美容院も最近では増えてきていますが、お客様からしたら名刺を渡されないということは歓迎されていないのかもと受け取る場合もあるのです。
やはり、新規のお客様を担当する時は名刺を渡して、自己紹介をするようにするのがおすすめです。そのほうがお客様の印象に残りやすいというメリットもあるので、ぜひ積極的にカウンセリング時などに名刺を配るようにしていきましょう。
顧客リストの見直し
顧客リストにはどのようなことを記述していますか?
施術をした時の内容を記載しておくのはもちろんのこと、その日に会話した内容やお客様の好みなどお客様の内面に迫るような内容もメモしておくと次回の接客時の役に立ちます。
「前回お聞きした〇〇はその後いかがですか?」などと切り出せば話が盛り上がるきっかけにもなりますし、自分のことを覚えていてくれたと感じるとお客様も当然嬉しく感じ、リピーターとなってくれる可能性もグンと上がっていきます。
お店の雰囲気作り
いくら施術の腕前が良く、お客様との会話作りが上手でもサロン全体の雰囲気が今ひとつだとお客様は何となく惜しいなと感じてスッキリ満足とはいかないでしょう。そんなお客様の印象のギャップを埋めるためには、前の項目でもお話ししたように、サロンのターゲット層を事前に決めておくことです。
例えば20代など若い世代にターゲットを置くのであれば「インスタ映え」と言われるような可愛らしいちょっぴり派手な装飾のほうが好まれたりします。
反対に年齢層を上に設定するのであれば、落ち着いたシックな装飾でワンランク上のサロンを狙った店舗作りをしていくとリピーター獲得へと前進できます。
今からでも遅くはありません!リピート率は上げられます!
サロンのリピーターを増やしたいと思ったら、すぐに行動すれば遅すぎるなんてことはありません。リピーターは急激に増えていくものではないので、コツコツと努力を重ね、地道に増やしていくことが大切だからです。
そのためには、これまでお話しをしてきたようなリピートを増やすためのコツをしっかりと押さえてサロンの日々の活動に取り入れていくことが必要です。
まずはお客様にとって過ごしやすい空間を意識して作り、心から歓迎していることを伝えましょう。そして、お客様の要望になるべくズレが生じないようにカウンセリングをしっかりと行い、満足して帰っていただけるような施術を行っていくことです。
お客様に納得してもらえる時間を過ごしてもらえたら、リピーターとして再来店する確率は上がります。リピート率を上げるために頑張っていきましょう!