化粧水と乳液はスキンケアの要と言っても過言ではないでしょう。
ほとんどの方がこの2つは最低限のケアとして使用しています。しかし、化粧水と乳液の違いをしっかり把握している人は意外と少ないもの。
ここでは、化粧水と乳液の役割をはじめ、塗り方の順番や選び方までを解説していきます。また、日本人に多く見られる肌タイプやメンズ用のスキンケアについても触れていきます。
Last Updated:2023/1/10
化粧水と乳液、その違い
化粧水と乳液は、スキンケアの中でも最も基本的なアイテムとなります。肌を構成する上で必要な水分、油分を補うためには必須だと言えるでしょう。
また、化粧水・乳液だけで補いきれない肌悩みに対しては、美容液という救世主がある事をご存知でしょうか。
ここでは、化粧水・乳液・美容液について効果の違いも交えながら解説します。
化粧水の役割
化粧水の役割は、肌への水分補給です。
人間の肌は、角質層という部分にしっかりと潤いが保たれていることで、乾燥やゴワつき、くすみ悩みを回避できます。
化粧水によって保湿成分濃度、テクスチャーに違いがあるため、自分の肌に合った化粧水選定をおすすめします。
化粧水の種類
化粧水は、以下のように大きく3種類に分けられます。
一般的に幅広く使用されているのは柔軟化粧水と呼ばれるものです。
- 柔軟化粧水:
通常使用する化粧水で、角層に水分を補給し、肌に潤いと透明感を与える - しゅうれん化粧水:
さっぱり感のあるテクスチャーで、過剰皮脂分泌を抑制したり、毛穴を引き締めたりするのが目的 - ふきとりタイプ化粧水:
ナチュラルに仕上げたメイクを落としたり、クレンジング後のベタつく油分を除去したりする
乳液の役割
乳液は、化粧水で補った水分を逃さないようにするラップのような役割があります。肌にベールをかけるイメージです。
また肌のキメを整える効果もあるため、外部からの刺激を受けにくい肌づくりができるでしょう。
化粧水同様、乳液によって成分・濃度・テクスチャーの違いがあります。
UV対策乳液も活用しよう
朝専用の乳液として、日常生活での紫外線をカットする程度の日焼け止め効果を備えたタイプもあります。
朝と夜の乳液を使い分けて紫外線対策も意識しましょう。
ちなみに美容液の役割は
美容液は、化粧水や乳液で補いきれない悩みを補助する役割を持っています。また、特有の肌悩み(乾燥・しわ・シミ・毛穴など)に対してもダイレクトに働きかけることから、スペシャルケアなどとも呼ばれています。
複合的な肌悩みを持つユーザーも多くいるため、最近ではニーズが高まりつつあります。
美容液は、スキンケアの中で最も多く訴求成分(効能や効果を発揮する成分)が配合されています。またその種類には、ジェル、クリームなどのような液状以外の形状もあるので、化粧水・乳液と同じように肌質や季節、テクスチャーなどを考慮して選びましょう。
化粧水と乳液はどっちが先? スキンケアアイテムのつける順番
化粧水は、乳液の前につけるのが基本です。
ほとんどの化粧品メーカーでは、以下のような順番を推奨していることと思います。
- 洗顔
- 化粧水
- 美容液
- 乳液
- クリーム
一方で、乳液を化粧水の前につけるように推奨しているケースもあるので、順番や使用量は、メーカーの指示に従いましょう。
化粧水と乳液の効果的な塗り方
化粧水と乳液を使用する時は、塗り方1つで効果に違いが出ます。
決して安価ではない化粧品です。なるべくなら、十分な効果を得られるようにしたいものですね。
塗り方のポイントをご紹介します。
化粧水の塗り方のポイント
化粧水は、「コットンでつける派」と「手でつける派」に分かれるでしょう。
どちらもメリット・デメリットがあるので、自分に合ったつけ方を選んでください。
「コットン派」のつけ方
化粧水の浸透性が良く、肌に均一につけられるのがメリットです。手と比較すると、化粧水量が多くなります。
- コットンにたっぷりと化粧水を含ませる
- 片頬ずつコットンを滑らせるようにつける
- 額、顎の順番につける
- 最後にコットンを小さめに折り、目の下や口角などにつける
強く擦ったり、摩擦をかけたりしないように優しく撫でるようにしましょう。
「手のひら派」のつけ方
肌への摩擦が少なく、刺激を与えにくいのが手のひらでつけるメリットです。また、プレス効果で化粧水の浸透性がアップします。
しかしコットンに比べると、肌に均一につけにくいという点もあります。
- 清潔にした手のひらに化粧水を適量出す
- 片頬ずつ滑らせるようにつける
- 額、顎にもつける
- 目などの皮膚の薄い箇所にも優しくつける
- 手のひらで優しくプレスするようになじませる
数枚のコットンに化粧水を染み込ませ、顔に数分のせる使い方もあります。
肌にダイレクトに水分が行きわたるため、潤い力や透明感を実感しやすいでしょう。
これはコットンパックと呼ばれ、極度の乾燥やゴワつきが気になる時に、応急処置的に用いると良い方法です。
乳液の塗り方のポイント
化粧水で補った水分を逃さないようにする重要な役目を果たす乳液は、乾燥している部分に重ね付けするのがポイントです。
- 片方の手のひらに適量をとる
- ①から、片方の中指の腹に適量とる
- 両頬、額、顎につける
- 目や口角につける
- 乾燥している部分に重ね塗りする
- 手のひらの体温でプレスするようになじませる
メンズもチェック! 化粧水と乳液の基本的な選び方
いまやスキンケアは、女性だけでなく男性も注目しています。その結果として、ここ数年、国産化粧品メーカーの男性化粧品のシェアは拡大しています。
そんなメンズ用の化粧水・乳液の基本的な選定方法を見ていきましょう。
保湿成分をチェックし保湿効果が高いものを選ぶ
男性は、女性と比較すると皮膚が少し厚めで、キメも粗めです。また、シェービングにより肌が荒れたり、乾燥したりしやすくなるでしょう。
このような肌質から、保湿成分の配合率が高めの商品を選ぶと良いですね。代表的な成分として、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が挙げられます。
テクスチャーは肌との相性や好みで選ぶ
スキンケアは、日課にすることで効果が期待できます。そのため、自分が毎日使用しても違和感なく、心地良く継続できるものをセレクトしましょう。
男性は、ホルモンの関係性から、女性と比較すると皮脂量が高めです。そのため乳液などによる保湿がベタつくと感じてしまうこともあります。その際は、「さっぱりタイプ」など軽めのテクスチャーの商品を選びましょう。
このような肌質の背景から、多くの男性用スキンケア商品には、エタノールやメントールなど清涼感の得られる成分が配合されています。
特定の肌悩みがあればその効果も考慮して選ぶ
化粧水や乳液を使用する大きな目的は、水分や油分を補うことです。
そのほかにもシワ、シミなどの肌悩みがあるならば、それに特化した成分(コラーゲン、コウジサンなど)が配合されている商品のセレクトが大切です。
肌タイプ別!化粧水・乳液の選び方
自分の肌タイプがどれに当てはまるかを知ることで、適切なスキンケアを実践できます。肌にぴったりの化粧水や乳液を使い続けて、理想の肌に近づけましょう。
乾燥肌タイプの化粧水・乳液の選び方
水分量、皮脂量ともに少ないのが乾燥肌です。そのため肌を守るバリア機能が低く、刺激を受けやすくなります。
一般に乾燥肌の方は肌のキメが細かい場合が多く、毛穴悩みもほとんどないと言えるでしょう。そうした肌を活かすためにも、潤い補給と維持を目標にしたケアが大切です。
化粧水・乳液は、ヒアルロン酸やセラミドなどの配合比率が高めのものにしましょう。また、乾燥肌がエスカレートするとしわやたるみ悩みなどに進行してしまうため、コラーゲンやエラスチン配合の商品をセレクトしても良いでしょう。
脂性肌タイプの化粧水・乳液の選び方
脂性肌は思春期から20代前半に多く見られ、皮脂量・水分量ともに高めなのが特徴です。特に皮脂量が過剰になりやすいため、ニキビや毛穴詰まりの原因ともなるでしょう。
脂性肌のケースでは、過剰な皮脂を抑制し、同時に水分を維持させる効果の高い化粧水や乳液を選ぶのが大切です。
また皮脂の分泌が多いことで、トロミのある化粧水や乳液を使いにくいと感じるケースもあります。そのため、脂性肌の方は、「さっぱりタイプ」などをセレクトすると、夏場もスキンケアを継続しやすくなるでしょう。
混合肌タイプの化粧水・乳液の選び方
Uゾーンはかさつくのに、Tゾーンはべたつくという肌タイプです。
正反対の肌タイプが混在していることから、肌バランスを整えるのが難しくなります。そのため、化粧水や乳液選びをしっかりする必要があります。
混合肌タイプの場合、化粧水・乳液を2種類用意しておくと適切なケアができます。
例えば、べたつくTゾーンには油分の少ないさっばりタイプ、かさつきやすいUゾーンには保湿力・油分量の高いしっとりタイプの化粧水・乳液を使用するといいでしょう。
敏感肌タイプの化粧水・乳液の選び方
生まれつきのアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎などのトラブルにより、スキンケア選びに苦戦するケースがあります。また最近では、季節の変化時やストレスなどにより一時的に肌が敏感になる方もいます。
これらの肌質の方は敏感肌と呼ばれ、トラブルなくケアするには特定の化粧品成分でしかできないため、成分についてよく確認する必要があります。
添加物や刺激成分であるパラベンなどを避けたり、天然成分配合のスキンケアをセレクトしたりしましょう。また購入する前に、パッチテストやサンプル品の使用の検討をおすすめします。
「これから使用しようとしている化粧品にアレルギー反応が出たらどうしよう」と不安になる方も少なくないでしょう。そのような時は迷わずにパッチテストを行なうのがベストです。
対象となる商材を腕の内側や首などにつけ、皮膚反応を確認します。通常は、24時間後、48時間後を目安に、赤みや発疹が出ていないかを見ます。このような異常が現れた場合、その商材の使用は避けてください。
普通肌タイプの化粧水・乳液の選び方
普通肌は、水分、皮脂ともにバランスのとれた肌タイプだと言えます。この肌タイプはバリア機能もしっかりしているため、外部刺激にも強く、新しい処方のスキンケアにもチャレンジしやすいでしょう。
現在使用している化粧水・乳液を基盤に、肌悩みに特化した美容液をプラスするとより肌状態の安定が見込まれます。
化粧水・乳液のよくある疑問
毎日当たり前のように使用している化粧水・乳液でも、ふと疑問に思うことが多々あるでしょう。
間違った使い方をすると、十分な効果が期待できない可能性が高くなります。それどころか、肌悩みを増やしてしまうことにもなりかねません。
ここでは、化粧水や乳液に関するよくある疑問について解説します。
化粧水と乳液は同じブランドでライン使いすべき?
肌の基盤ケアとなる化粧水と乳液は、同じブランドで揃えた方が良いでしょう。
その理由としては、成分を統一した方が、相乗効果により成分の浸透性や肌悩みに対する効果がより期待できるためです。
化粧水をつけたあとどのくらいの時間を置いて乳液をつけるのが良い?
化粧水をつけた後、水分が蒸発・乾燥する前になるべく素早く乳液をつけましょう。
特に、入浴後は「過乾燥」という現象が生じやすくなり、過度な肌乾燥が生じやすくなります。
極度の乾燥肌の人の場合、乳液よりもクリームを使用すると良いでしょう。
化粧水と乳液は混ぜて使って良い?
化粧水が主に水分で構成されている一方で、乳液はその大半が油分です。
水分と油分は混ざりにくく分離しやすいため、混ぜて使用することはおすすめしません。
もし化粧水と乳液を混ぜて使用したい場合は、化粧水や乳液の成分が集約されたオールインワン化粧品を使用すると良いでしょう。
化粧水と乳液をつけるのとオールインワンで効果は同じ?
ここ最近、化粧水・乳液・美容液などの効果が1つに集約されたオールインワン化粧品のニーズが高まっています。朝の忙しいケア時間を短縮でき、コスパも良いのが人気の理由です。
もちろん、オールインワン化粧品だけでも化粧水や乳液の効果は得られるでしょう。ですが、やはり化粧水、乳液それぞれ使用した方が、本来の十分な効果が期待できます。
ケア時間やコストに余裕があるのであれば、なるべく化粧水、乳液をそれぞれ使用するのが望ましいです。
化粧水と乳液は高額なほど効果が高い?
化粧水や乳液の種類は多岐にわたります。また価格帯も、プチプラから高額までさまざまです。
中には「高額な価格の化粧水・乳液ほど効果が期待できるのでは?」と思っている方もいるかもしれません。確かに高額なスキンケアほど有効成分の配合量は多めで、満足度の高いテクスチャーや香りが得られることが多いです。
ですが、化粧水や乳液は毎日継続して使用するものです。そのため、高額だからといって使用料を少なめにしてしまうなどすれば、十分な効果が得られないかもしれません。
それなら、自分が継続できると思う化粧水・乳液をセレクトする方が、健やかな肌状態を維持できる可能性が高くなるでしょう。
肌タイプに合わせたスキンケア選びが理想肌に近づく第一歩!
化粧水、乳液はスキンケアの基本と言っても良いでしょう。
今回は、日本人に多く見られる肌タイプをご紹介し、それに合ったスキンケアのセレクト法をアドバイスしました。
肌タイプは年代・季節・ライフスタイルなどによって多様に変化します。いつも同じとは限りません。「肌の調子がなかなか安定しない」「長年使用しているスキンケアをやめられない」と言う方はぜひ、スキンケアの再確認をしてみてください。
現在の肌タイプに合ったスキンケア商品を選ぶことが、理想肌に近づく第一歩です。