ネイリストとして働こうと思ったときに悩むのが「就職先にどこを選ぶか」、ではないでしょうか。選んだ就職先によって勤務の快適度や技術の向上が可能かどうかが決まってくるので、サロン選びは慎重にしなければいけません。そこで、ネイルサロン選びをするときに知っておきたいポイントなどをお伝えしていくので、参考にしてください。
Last Updated:2021/3/25
ネイリストに必要な資格は?
ネイリストになるための国家資格はありません。ですから、資格を取得していなくても技術さえ身に付ければネイリストとして働くことが可能ということになります。とはいえ、何かしらネイルに関する資格を取得しておいたほうがサロンで働く際に有利になるのは間違いありません。
現在、ネイルに関係した資格を取得するとなると、民間資格を利用することになります。
ネイルの民間資格で代表的なものは、
- INAネイルスペシャリスト技能検定試験
- JNECネイリスト技能検定
が挙げられます。
特にJNECネイリスト技能検定は、日本ネイリスト協会が実施していて、求人情報でもこちらの資格があることが条件となることも多いという基礎的な資格となるので、もっておくと安心な資格となっています。
JNECネイリスト技能検定は1級、2級、3級とありますが、2級以上取得しておけば就職でもかなり有利となるので、ネイルの資格取得を考えているのであれば、JNECネイリスト技能検定の2級をベースラインとして考えていくのがおすすめです。
公式サイト:
INA(I-NAIL-A)ネイルスペシャリスト技能検定試験
JNECネイリスト技能検定
海外ではネイリストになるのに国家資格が必要なところもあり、日本もやがてそのような流れになっていくのではないかと言われています。国家資格となれば、取得条件も当然厳しくなるので国家資格となる前に資格を取得しておくのもいいでしょう。
ネイリストとして働くためには
ネイリストとして働くためには、サロンに就職するか、自宅などで開業する方法があります。
ネイルを施術するのに必要なマシンさえ購入すれば自宅でサロンを開くことも可能ですが、経歴がないのにお客様を迎えることは難しいですよね。まずはサロンに就職して技術を磨いていくのが、将来サロンを経営したいと考えている場合でもおすすめのルートと言えるでしょう。
ネイルに関する資格を所有していることと、サロンでの実務経験の2本が揃うことでお客様にも安心して施術を受けてもらえることとなるので、焦らず経験を積んでいきましょう。
自分自身に合ったネイルサロンとは
ネイルサロンでの就職を考えたときに重要となるのが、どのようなサロンのスタイルが自分に合っているかということです。
ネイルサロンのタイプは大きく2つに分けることができて、
- 総合美容室タイプ
- ネイルオンリーサロンタイプ
となっています。
総合美容室タイプ
総合美容室店の場合だと、カットやカラーなどの通常のメニューに加えて、要望があればネイルを施術するための専属のネイリストとして常駐する形になります。基本的には1人でネイル希望のお客様を請け負う場合が多く、たくさんのお客様を抱えることができます。
普段は美容室のスタイリストをしつつ、指名があれば+αでネイルも施術するというスタイルを取ることもできます。
ネイリストの資格があれば、業務拡大へとつなげていくチャンスにもできますね。
ネイルオンリーサロンタイプ
ネイルオンリーサロンは、いわゆるネイルサロンのことを指します。
ネイルサロンを訪れるお客様はヘアケアのついでにではなく、ネイルだけを目的としているので、より専門的な施術を希望していることになります。よって、必要となる技術も高い水準が求められます。ですが、何人かのネイリストが在籍しているので、切磋琢磨できたり情報交換したりすることもできます。
このように、選ぶお店のスタイルによって働き方なども異なってくるので、どちらのタイプが自分には向いているのかをまずは見極めていきましょう。
店舗別のメリットとデメリット
ネイルサロンでの就職を決めた場合、次に悩むのはサロンの規模だと思います。大型店を選ぶのか、小さなサロンを選ぶのか、こちらもそれぞれメリット・デメリットがあるのでこれからひとつずつ見ていきましょう。
個人オーナーのネイルサロン
商業ビルの一角や路面店などの形態で運営されていることの多い個人経営タイプのネイルサロンは、運営規模も小さくオーナー自身もメインスタッフとして施術に取り掛かっている場合が多いです。そんな個人経営タイプのメリット・デメリットを挙げていきます。
個人経営タイプのメリット | 個人経営タイプのデメリット |
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大規模ネイルサロン
大規模ネイルサロンはチェーン店など同じ名前を掲げているネイルサロンが多数上るような大型店のことを指します。
大規模ネイルサロンのメリット | 大規模ネイルサロンのデメリット |
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美容室やまつ毛エクステなどの併設型
こちらはネイルサロン単体ではなく、美容室やまつ毛エクステなど他の美容の施術と合わせてネイルも行っているタイプの店舗です。
併設型タイプのメリット | 併設型タイプのデメリット |
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サロンの規模や店舗のスタイルによってメリット・デメリットは異なってくるので、これらを参考に働くお店の雰囲気をイメージして自分には向いていそうかどうかを検討してみてください。
職場を決める際のポイント
どのようなタイプのお店を選ぶかによって働き方なども大きく変わってくることをお伝えしてきました。サロンの規模の大きさなど自分に合ったタイプのスタイルを選ぶと快適に働くことができるでしょう。
あとは、いざ入社してから「思っていたのと違った」ということにならないように、事前にチェックしておくと安心できるポイントをまとめていきます。
- 社内での研修制度や勉強会などスキルアップする機会があるか
- お客様を獲得する為の宣伝やDM、キャンペーンなどはあるか
- 給与形態は、固定給か歩合給などどうなっているか
- 月給はどのくらい受け取れるか
- 昇給は見込めるのかどうか
- 各種保険制度はしっかり整っているか
- サロンの営業時間はどうなっているか
- 勤務はシフト制なのか、希望休は聞いてもらえるのか
- 店の口コミや評判は悪くないか
- 清潔で安全な労働環境が整えられているか
- オーナーや同僚に相談はできる環境かどうか
上記に挙げたようなポイントは実際に働いてみないと見えてこないこともありますが、面接の時などに確認できることは事前に聞いておくといいでしょう。
ネイリストのサロン接客の心得
いざネイリストとして働くことになったときに、知っておくと役に立つ接客のポイントをまとめていきます。
美容室やまつエクと違い、ネイルの施術はお客様の目元を隠すことがなく、ずっと向き合って施術を行っていくことになるため、コミュニケーション能力も求められます。いくら技術がしっかりとしていても、サロンでの居心地が悪ければリピーターとはなってもらえません。
過剰にトークサービスをする必要はありませんが、挨拶はしっかりとする、笑顔を忘れない、など、基本的なことはしっかりと押さえていくようにしましょう。
「会話が続かない…」というときに、役立つ会話のネタ帳としてよく挙げられるのが、
- 好みのネイルデザイン
- 好きな芸能人
- 普段読んでいるファッション雑誌
- フォローしているインスタアカウント
など、盛り上がりやすい話題を聞き出すようにすると会話が続きやすくなります。
そしてお客様のカウンセリングシートを作っておいて、片隅にお客様から聞いた情報をメモしておくと、次回来店してもらったときに会話をつなげやすくなり、お客様からも「覚えてもらっている」という信頼感が生まれていきます。
ネイルサロンを訪れたお客様のアンケートによると、相談しやすい雰囲気かどうかも重要となってくるようです。「こういうデザインのネイルにしたい!」という希望をもってサロンを訪れるお客様がほとんどですが、自分の希望をどこまで叶えてくれるのか、予算はどのくらいなのかなど不安を抱いているお客様もいます。
親身にお客様に寄り添って、希望のデザインに向けて一緒に話し合ったりと相談しやすい雰囲気を作っておくと、お客様も安心して満足していただけます。
相談しやすい雰囲気と言うと、フレンドリーさに走ってしまう方もいますが、相手はあくまでもお客様なので過度に親密に接するのはNGです。お客様にとって心地の良い距離感を意識して接客をするように心掛けていくと、次第にリピーターが増えていってくれるはずです。
魅力的な仕事だからこそサロン選びは慎重に
ネイリストの仕事は、自分の技術でお客様に喜んで帰っていただけるける、やり甲斐のある仕事です。お客様の反応を直に感じることができるので魅力的ですよね。
ですが、自分と合わないサロンを就職先に選んでしまうと、嬉しい経験よりも働きにくさが上回ってしまう場合もあるので、サロン選びは慎重にしておきたいところです。まずは、しっかりと自分の気持ちを見つめ直して、どのようなサロンで働きたいのか答えを出すことと、就職先に選んだサロンが本当に働きやすい環境かどうかを調べておく必要があります。