美容室 消耗品

美容室の消耗品はどこから仕入れる?消耗品費についても解説

美容室は職人性が高い仕事です。道具が必要になるので、仕入れ先は多いに越したことはありません。仕入れ方がわからないのなら、ネット通販を試してみてください。また仕入れをすれば、事務処理をしないといけません。似たような勘定科目が多くて、困ってしまう人も少なくありません。そこで処理のやり方についてもまとめてみました。

美容室で使う消耗品の仕入れ先

美容室で使う消耗品の仕入れ先

美容師という仕事は、そもそも技術職です。ものを売るのはおまけであり、技術力で商売をするのがメインのため、ちょっとした備品などを購入する機会が多いでしょう。そのため美容室では、消耗品を購入する機会も増えます。

ちなみに美容室には、自分で商材を仕入れる力がありません。お客様に技術を提供している時間が長いため、仕入れる暇がないからです。そこで仕入れ先を見つけておき、商材を持ってきてくれる人に、代わりに消耗品を紹介してもらいましょう。

その仕入れ先としては、現在だとたくさんの候補があるはずです。どこから仕入れをするべきか、迷ってしまう人も少なくありません。できるならお得な形で仕入れをしたい人が多いと思います。

商材が美容室までくる流れ

  1. 美容メーカー
  2. 問屋
  3. ディーラー
  4. 美容室

一般的に上記のような流れで、美容室での仕入れが行われています。この流れを把握できていれば、今から紹介する仕入れ先の特徴を把握しやすくなるでしょう。

独立してこれから美容室をオープンさせたい美容師や、学校を卒業して美容室に就職する学生の皆さんは、参考にしてみてください。

消耗品の仕入れ先①
美容ディーラー

消耗品の仕入れ先として、最も多いのが「美容ディーラー」です。主に代理店としての役割があり、メーカーの代わりに美容室へ営業をしてくれます。たくさんのメーカーの消耗品を取り扱っており、商材に関しての知識が高いのがポイントです。

  • 流行りや人気商材を把握している
  • 新商品をお試しさせてくれる
  • 小ロットで仕入れが可能 など

美容ディーラーを利用するメリットは多いでしょう。営業の担当者と対面で商材について紹介してくれるので、安心して消耗品の仕入れができます。しかも代わりに、メーカーからたくさんの消耗品を仕入れてくれているため、大量にひとつの商材を仕入れる必要はありません。

  • 接客中に営業の人の相手をしないといけない可能性がある
  • 予定外のものを仕入れる可能性がある など

美容ディーラーから消耗品を仕入れるのは、メリットばかりではありません。ほとんどの場合、長期間お付き合いをしていく必要があります。そのため適当な対応をしていると関係が悪化して、欲しい情報を貰えなくなってしまうでしょう。

また対面での営業というのもあり、相手は営業のプロ。買う予定でなかったものを紹介されて、つい欲しくなって仕入れてしまうといった失敗も起きかねません。

消耗品の仕入れ先②
問屋

じつは美容ディーラーは、メーカーから直接仕入れを行なっているわけではありません。特に大手のメーカーなら、問屋を挟んで美容ディーラーに営業を代行してもらっているなんてケースは少なくありません。

物流の業界で中間の立ち位置の問屋から、消耗品を仕入れると、美容ディーラーより受けるメリットは少なくともあります。

  • 美容ディーラーより安く仕入れられるかもしれない
  • メーカーに希望を伝えてくれるかもしれない
  • メーカーの講習を直接受けさせてくれる など

美容ディーラーよりもメーカーとの距離が近い問屋は、メリットを感じやすいでしょう。価格の面も魅力的ですが、それと同じくらいメーカーと関われる機会が増えるというメリットがポイントです。

とはいえ美容ディーラーへの営業が、問屋の本来の役割になります。

  • 求めている情報が手に入らない可能性もある
  • 取引前に審査をされるケースもある など

美容ディーラーよりも、求めている情報と少し食い違う可能性もあるでしょう。

また美容室と直接取引をする前に、審査をしないといけない問屋も存在します。美容ディーラーよりメリットが多い判面、面倒なことも多いという事実は、頭に入れておいた方がいいでしょう。

さらに問屋だと言っても、やっている内容はほぼ美容ディーラーと同じです。ということは、受けるデメリットも似ているため、営業の人とのやりとりが面倒だと感じる人もいるでしょう。そんな人こそ、ネット通販で仕入れを行ってみてください。

消耗品の仕入れ先③
ネット通販

現在では、仕入れを対面で行うのではなく、ネットを使って行えるようになりました。これは通販という方法が生み出されたからです。

一般の人が使えるネット通販を使ってもいいのですが、美容室の消耗品を仕入れるには、ネット通販ができる問屋を利用したほうがいいでしょう。一般的な通販サイトにはない、美容業界独特の消耗品が、問屋の通販なら安く手に入ります

  • ディーラーより安く仕入れられるケースがある
  • ・思った時にすぐ手に入る
  • 営業の人の相手をしなくてよくなる など

ネット通販での仕入れは、自分の思ったタイミングで消耗品を仕入れられる点が大きなメリットです。しかも人件費が発生しにくいので、価格が安くなっていると言ったケースも少なくありません。

また対面の必要性がないため、忙しいタイミングで営業の人への付き合いがないのも魅力のひとつです。

  • 欲しい情報は自分で仕入れる必要がある
  • 仕入れる商材の情報も教えてくれない
  • 全て自分のセンスで売上をアップさせないといけない など

気軽に消耗品の仕入れができるネット通販は、全て自分の責任になってしまうのが、唯一のデメリットです。しっかり勉強できている美容室ならそこまで気にならないでしょうが、ディーラー任せになっていた美容室がネット通販を使うと、余計な手間が発生してしまいます。

確定申告(青色申告)時の「消耗品費」とは

確定申告(青色申告)時の「消耗品費」とは

消耗品を仕入れられたら、次に事務作業が必要になってきます。パッと見では華やかな美容室業務の中でも、特に地味な作業だけに、事務作業が苦手な人は多いでしょう。消耗品費という勘定科目で仕分けをしないといけないのですが、よく似た科目も多く、ベテランであっても迷ってしまうほど難しい仕分けです。

基本的に消耗品費は、以下のようなポイントを抑えておけば簡単に仕分けができるようになります。

  • 資産性が低いもの
  • 使用期限が1年未満のもの
  • 10万円未満のもの
  • 売上に直結しないもの

資産性がないものと紹介しましたが、少しわかりにくいかもしれません。簡単にいうと、物として残りにくく、その場で捨ててしまっても問題がない商品です。

1 件の価格が 10 万円未満の文具・機器類、薬品等消耗品類 雑誌、資料、生活科学部および薬学部の研究用消耗品、コピー使用料、投稿料等

また消耗品費は、直接売上になるものではありません。例えば、美容室の営業をしていて、鉛筆などの文具をお客様に買ってもらうなんてことはしないでしょう。しかし受付などのメモなどには使うものなので、この場合は消耗品費として計上し、経費として扱って問題ないわけです。

中小企業者なら特例で30万未満なら消耗品費として処理可能

消耗品費に計上するためには、ひとつの商品に対して10万円以内のものが対象です。しかしこれはあくまで基本なので、それより高い消耗品を仕入れた場合は、購入する前に予め以下の条件をクリアさせておきましょう。

  • 青色申告を済ませている
  • 従業員が1,000人以下
  • 資本金が1億円以下
  • 必要書類を添付できている

必要な書類というのは、各地域によって違う場合があるので、担当の税理士や税務署などで聞いてみてください。そしてこれらの条件をクリアできると、30万円以内の消耗品が一括で経費として扱ってよくなります。従業員数が1,000人以下という条件のため、よほど大型の美容室でない限りクリアできるでしょう。

ちなみに30万円以上の消耗品を仕入れた場合や、消耗品費として認められない場合は、資産として計上されます。1年ごとに分けて以下のように計算されて計上されるので、損をしてしまうケースもあるでしょう。

減価償却費 = 取得価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数(※)
(※) 1年未満の端数は、6月以上は1年、6月未満は切り捨てます。

資産として計上するより、消耗品を仕入れられるようにしたほうが無難です。あらかじめ金額を把握しておき、30万円以内に収められるように努力してみましょう。

仕入れにならないか確認しておく

消耗品費として計上したほうが、事務処理としては無難だと紹介してきました。ところが消耗品費以外の項目として、処理されるリスクがあるのを知っているでしょうか?

それが「仕入れ」です。仕入れとは、売上に直接関係がある消耗品になります。

  • パーマ剤
  • カラー剤
  • シャンプー
  • トリートメント など

美容室なら、上記のような消耗品が仕入れとして処理されてしまいます。

消耗品費はただの経費として処理されるため、そこまで気にする必要はありませんでした。しかし仕入れと処理された場合は、直接的に売上がアップするため、「資産性がある」と見られてしまいます。

資産性があるものに対しては課税対象とされるので、支払わなければいけない税金が増える可能性が高くなるでしょう。

消耗品費として計上したほうが無難という理由は、このようなデメリットがあるからです。

雑費にしたほうがいい可能性も…

消耗品費とよく間違えてしまうのは、仕入れだけではありません。雑費という勘定科目を聞いた経験があるでしょう。定期的に購入しないといけない消耗品費と違って、たまにしか仕入れないものは、雑費として計上いた方が無難です。

  • クレジットカードの年会費
  • 解約時に支払った違約金
  • 事務所の引っ越し費用 など

このように一時的にしか発生しない経費は、雑費として処理しておきましょう。すると後で見返した時にわかりやすく、必要な消耗品費を検討する時の邪魔になりません。

消耗品の買いだめには注意して!

消耗品費として処理したとしても、その消耗品をお客様に売ってしまった場合は、仕入れに変えておく必要があります。特に買いだめをしていた場合は、このような面倒な処理をしないといけないので覚えておきましょう。

お客様に消耗品を売ってしまった場合は、売上に直接関係がある仕入れとして処理しないといけないからです。資産性があるものは課税対象とあるため、税務署がチェックする項目でもあります。

何を商品として販売してしまったのかわかるように、メモで残しておかないと、帳簿が合わなくなってしまうはずです。棚卸資産ともいいますが、ここをチェックされれば、税務署の職員ならすぐわかるでしょう。

美容室で仕入れる消耗品は処理が面倒な時が多いからこそ今知っておこう!

事務作業は美容室の業務よりも地味で、誰でも嫌煙してしまうものです。しかし正しい消耗品の処理のやり方を覚えておかないと、税務署が来たときに困ってしまいます。

  • 10万円以下のもの
  • 資産性がないもの
  • 売上に関係がないもの
  • 定期的に経費として処理するもの

せめてこれらの条件を覚えておき、事務作業をするときに役立ててください。どうしても消耗品費かどうかわからないのなら、税務署に相談しても問題ありません。

また安く消耗品を仕入れたいのなら、今ならネット通販ができる問屋を利用しましょう。営業の人と付き合いをしなくていい上に、自分の思ったタイミングで仕入れができるというメリットがありますよ。
 

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メガネセキ美容室オーナー、ライター、元美容師

投稿者の過去記事

美容師として8年以上勤務。薬剤で手荒れがひどくなり、美容師を辞めて現在はWebライター。
地元で美容室を経営しつつ、Webの知識で集客も行っています。

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