美容室の経営を成功させるには、テナント選びも大事な要素のひとつです。しかし探し方がよくわからない人は少なくないでしょう。
この記事では、テナントを探す際のポイントを紹介しています。しっかりリサーチをして、最適な物件を選ぶようにしてください。
美容室のテナント選びが「超重要」な理由
美容室の運営を始める上で、重要なポイントのひとつがテナント(物件)選びです。
なぜなら、場所によって来店するお客様の特徴に違いがある上に、家賃などのお金にも差があるからです。
この先、長い間関わっていく店舗だからこそ、慎重に選ぶようにしましょう。
立地によっては集客が難しくなる
まずテナント(物件)選びで重要になるのが、立地です。
例えば人通りが多い駅周辺のテナントと契約した場合は、比較的集客しやすいと言えるでしょう。ただしオフィスエリアは平日の集客が見込める一方で、週末・祝日は人足が少ない傾向にあります。また商店街なども人は多いですが、既に複数の同業店舗が近くに出店しているケースがほとんどです。
逆に、住宅街などは安定した集客が期待できますが、周囲に認知してもらうまでに時間がかかることがあります。また大きな収益にはつながりにくいかもしれません。
このように、立地は店舗経営の成功を左右する大切なポイントであることを覚えておきましょう。
家賃によっては経営の継続が難しくなる
物件を選ぶ時に注意するのは立地だけでなく、家賃についても同じです。
特に家賃というのは、場所や広さなどのテナント(物件)の条件によって変わります。また売上に関係なく、毎月必ず支払う必要があります。
立地や広さなどを優先するあまり、家賃の高いテナントを選んでしまうと、今後の経営にも影響を及ぼします。
ちなみに、美容室の家賃の割合は売上の10%以内が理想とされています。
美容室のテナント探しで事前に確認すべきポイント
美容室のテナント(物件)を探している人は、意識するべきポイントが4つあります。
これらを理解して、理想に近いテナント選びの参考にしてください。
コンセプトやターゲット
まずテナント探しをする前に、コンセプトやターゲットを決めておきましょう。場所によって来店するお客様の性別や年齢などに違いがあるので、立地選びにも役立ちます。
さらに外装や内装の雰囲気に関しても、トレンド重視なのか地域密着型なのかなどを明確にすることで、絞り込みやすくなります。
つまり内容を細かく決めるほど、希望のテナントが見つけやすいと言えます。
予算
予算についても、あらかじめ把握しておく必要があります。
まずテナントを借りる際には、一般的に以下のような費用がかかります。
- 敷金(保証金)
- 礼金
- 仲介手数料
- 前家賃
物件が決まったからといって、すぐに開業できるわけではありません。内装工事や設備の購入・設置なども必要で、そのための費用もかかります。
また、一般にテナントの契約から開業までは3ヵ月ほどかかるとされています。その間、収益がなくても家賃や光熱費などの固定費を払う必要があり、その分の費用も含めなくてはいけません。
理想の広さ
テナントの広さについても、探す前にしっかり決めておきましょう。
まず、美容室として保健所から営業許可を受けるには、作業スペースだけで13平方メートル以上の床面積が必要です。作業スペースは、施術台やシャンプー台、コールドスペースなどの設備スペースが対象です。
これ以外に、待合スペースやスタッフルーム、トイレなどを考慮すると、これ以上の広さが求められます。
これを基準とし、例えばリラクゼーションを目的とした美容室なら、ゆったりと感じられる空間を、また将来的にスタッフを増やす、集客が見込めるなどの場合も、さらに広さに余裕のある店舗を見つけておいたほうが無難です。
逆にビジネスマンが多く集まる場所なら、効率的な作業を優先するといいかもしれません。美容師がテキパキ働けるような広さを意識して広さを決めてください。
居抜き物件かスケルトン物件か
居抜き物件とは、前の契約者が使っていた状態がそのまま残された物件です。
設備だけでなく、電気配線などもある程度整っているので、最低限の改装だけで美容室が営業できるのがメリットです。
しかし費用が節約できるため人気が高く、また美容室として適した物件や希望する立地の物件が見つけにくいなど、いくつかデメリットもあります。
一方のスケルトン物件は、設備などが残されていない物件です。
内装・設備工事などを一から始める必要がありますが、自由にデザインできるので、こだわりが強い人ならスケルトン物件を選ぶといいかもしれません。
不動産屋はどう選ぶ? よい不動産屋の特徴
テナント(物件)だけでなく、不動産屋についてもあらかじめ調べておく必要があります。いいテナントが見つかるかどうかは、信頼できる不動産屋に出会えるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。
そのため同業者の紹介や口コミなどを参考にして、しっかり検討するようにしましょう。
店舗専門の不動産屋
ひと口に不動産屋と言っても、大きく店舗専門と住宅専門の2種類に分けられるのをご存じでしょうか。
もちろん住宅専門の不動産屋でもテナント情報を持っており、仲介してもらえます。
しかし店舗に強い不動産屋であれば、より希望に近いテナントを知っている可能性が格段に上がります。また実績や知識が豊富なことが多いので、いろいろな相談に乗ってくれることでしょう。
特に初めてテナントを探す人にとっては、頼もしい味方と言えるかもしれません。
しかし実際のところ、店舗専門不動産屋はあまり多くありません。もし近くにない場合は、住宅専門の不動産でも問題ありません。
また出店エリアが決まっているのであれば、地元に精通した不動産屋に相談するのもひとつの方法です。最近ではオンラインで不動産屋同士が物件情報を共有できますが、地元密着型不動産屋であれば、オンライン上に情報公開する前に、いち早くいい物件を紹介してもらえる可能性もあります。
親身になってくれる不動産屋
不動産屋は、テナント(物件)探しのプロです。
可能な限り希望に合ったテナントを紹介してもらうためにも、立地、家賃、広さなどの条件を、できるだけ具体的に伝えることが大切です。
「こんなに条件を出したら面倒だと思われないかな…」などと、余計なことを考える必要はありません。よい不動産屋であれば、提示した条件にできる限り合ったテナントを探してくれるはずです。また条件に合わない場合でも、代替案を出してくれることでしょう。
しかし、こちらの条件に対して「それは無理ですね」とか、「そんな物件はありません」などと答えるだけの担当者であれば、別の担当者に相談するか、ほかの不動産屋に変えたほうがいいかもしれません。
大家さんと交渉してくれる不動産屋
不動産屋から紹介してもらったテナント(物件)を実際に使えるかどうかは、最終的に大家さんの判断によります。いくらいい物件が見つかったとしても、大家さんが了承してくれなければ、借りることはできません。
大家さんと交渉してくれるのも、不動産屋の仕事です。
不動産屋は、こちらの身元や使用目的、希望条件などを伝え、契約にたどりつけるように話を進めてくれます。例えば、敷金や家賃など金銭的な交渉、契約内容や設備関係などに関する希望についても大家さんと相談してくれます。
そのため大家さんとの交渉がスムーズに運ぶように、不動産屋には希望条件をしっかりと伝えておくようにしましょう。また担当者と良好な関係を築いておくことも、交渉がうまくいく大切な条件のひとつです。
実際にテナントを見に行ったときのチェックポイント
ほとんどの物件は下見(内覧、内見)が可能です。いくら図面上では間取りや家賃、立地などが希望条件に合っていたとしても、実際に見て確かめてみないとわからない部分がたくさんあります。
チェック漏れがないように、内覧前に間取り図をじっくり確認し、疑問点や確認しておくべき項目を書き出しておきましょう。
また通常、内覧は複数のテナント(物件)におよびます。以下のような持ち物を準備しておくと、後日テナントを比較検討する際に役立ちます。
- 間取り図
- スマホやカメラ
- ノートとペン
- メジャー
次に、物件の内覧の際に必ずチェックしておきたいポイントについて紹介します。
周辺環境は問題ないか
美容室はお客様に来店してもらうことが大前提なので、周囲の環境や雰囲気も大切です。
例えば場所がわかりづらい、立て看板が置けない、安全面で問題がある、同業者が多いような環境は、マイナスポイントと言えるでしょう。また騒音や臭気はないか、近隣の店舗や住人の状況(性別や年齢層)などもあわせて確認しておくといいかもしれません。
このほか、昼は賑やかなのに夜は人通りが少なく暗かったり、その反対だったりすることもあります。
可能であれば昼と夜の両方の時間帯で下見をしておくことをおすすめします。
人通りや交通アクセス
一般に、人通りが多いと集客に困らない傾向にあります。しかし、立地がよくても思ったより人通りが少ないといった場所はたくさんあります。周辺の環境だけでなく、人通りについても確認しましょう。地元に詳しい人から情報を入手するのも有用です。
また最寄りの駅やバス停からのアクセスも忘れずに確認してください。近隣の住人をターゲットにしている場合は別ですが、交通が不便、道順がわかりにくいような場所は、自然と客足が遠のく可能性があります。
美容室に適した設備があるか
設備関係の確認も大切です。特にコンセントの配置や個数、アンペア数などは重要と言えます。
ほかにもエアコン、換気扇、トイレ、水道・排水、スイッチ類などについても、正常に機能するかどうかを忘れずにチェックしてください。
居抜き物件の場合も同様です。特に以前の設備をそのまま引き継ぐのであれば、動作に問題が発生する可能性が高くなります。保証の有無はもちろん、不要な設備の撤去費用、故障している場合はその修理費や交換費用はどちらが負担するかなど、あらゆる状況を想定して、少しでも疑問に思うことがあればしつこいくらいに確認しておきましょう。後々問題が発生した際に、トラブルにならずに済みます。
居抜き物件の場合は退去理由も聞いておく
居抜き物件を選んだ時は、退去した理由を不動産屋から聞いておきましょう。
例えば、経営が順調で事業拡大のために店舗を移転したのであれば問題ありません。
一方で、経営不振のために退去したケースもあり得ます。特に、立地の悪さが原因で集客が思うようにいかなかったという理由であれば、どんなに条件がよくてもその物件は契約しない方がいいかもしれません。
理想的なテナントが見つかったら
理想的なテナント(物件)が見つかり無事に入居審査が通ったら、主に以下のような流れで開店まで進めましょう。
- 物件の仮契約をする
- 金融機関から融資を受ける
- 融資を受けたら本契約する
- 外装や内装のデザインを本格的に決め、見積りをもらう
- 内装工事
- 美容室で使う備品や設備を集める
- 広告やSNSなどで開店に向けての集客を行なう
- ホームーページの開設しておく
- 美容室開店
またこれらの作業と並行して、各種申請や手続きも行なうようにしてください。
ポイントをしっかり押さえて美容室のテナントを探そう!
これから美容室経営を始めようとしている人にとって、テナント探しがいかに大変で、重要であるかおわかりいただけたと思います。
近年では美容室の数が増加している一方で、集客が思うようにいかずに閉店したお店も多数あります。美容室経営を成功に導くためにも、少しでも条件のいいテナントを見つけてください。
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