美容師アシスタントは、他の職種に比べても仕事内容がきついとされています。仕事内容が多いだけでなく、給料や労働時間も長いのが原因でしょう。とはいえ1度仕事を覚えれば、どんなお店でも対応可能です。独立すれば経験を活かしてお店を出せます。しかし辞めたい人が多いのが現状です。どの部分で苦労するのか見てみましょう。
美容師アシスタントとは
美容師アシスタントとは、自分1人で仕事ができるスタイリストのサポート役です。
基本的にスタイリストが指示した仕事を、言われたとおりに仕事をします。
また、お店に入った時に、すぐにアシスタントとして働けるため、年齢が若い人が大半です。
とはいえ、上記はあくまで基本。お店によって、美容師アシスタントの定義に違いがあるため、困惑する人も少なくないでしょう。
そこで美容師アシスタントについて、具体的な定義をまとめてみました。
美容師アシスタントとスタイリストの違い
美容師アシスタントは、あくまでスタイリストのサポート役です。
しかし、どのような違いがあるのか気になるところ。多くの美容師がスタイリストを目指して、ひたすら練習を繰り返します。
どこに違いがあるのでしょうか?
スタイリスト | アシスタント | |
---|---|---|
メインの仕事 | お客様への施術 | スタイリストのサポート |
技術力 | カットも含めて全て施術可能 | お客様の要望に応えられない |
営業時間後 | 教育、DM対応、カルテ作成など | 技術力アップための練習など |
少なくとも、アシスタントはカットができません。
技術力がスタイリストより劣っており、そのために毎日営業時間後に、練習をしているのがアシスタントです。
それに対してスタイリストは、お客様の対応が全てできます。
カットも含めて、全てのヘアデザインできる人たちがスタイリストです。
アシスタントはそのサポート役として働きます。
スタイリストでは何が必要なのか、アシスタントは見て覚えるという風習があるのは、サポート役としての仕事があるから。
効率よく仕事を覚えられるので、積極的にスタイリストのサポートにつきましょう。
美容師アシスタントの仕事内容
アシスタントは、スタイリストのサポートが仕事です。
しかし、それだけではイメージしにくいでしょう。
そこで、具体的な美容師アシスタントの仕事内容についてまとめてみました。
仕事内容 | |
---|---|
就職直後 |
|
仕事に慣れてきた時期 |
|
スタイリスト直後 |
|
美容師アシスタントといっても、時期によって仕事内容も変わってきます。
技術力が上がれば、スタイリストと同じような業務を任せられるケースも少なくありません。
それは美容師そのものが人手不足だから。
アシスタントでも、お客様の髪に施術をさせてもらえないわけでもないでしょう。
美容師アシスタントは資格なし・免許なしでもなれる?
美容師というのは、国家資格が必要になります。
美容師法によって以下のように定められており、アシスタントといっても、作業の内容に違いが出てしまうので注意しましょう。
この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。
引用 │ 美容師法(昭和三十二年法律第百六十三号)
これを見ればわかるように、お客様をきれいにするための業務が、美容師免許に関わる仕事内容と関係しています。
- 免許あり⇒カット、カラー、パーマなどの施術ができる
- 免許なし⇒受付や会計などの、お客様の髪を触る業務以外
美容師免許を持っていなくても、アシスタントとして仕事はできるでしょう。
しかし、仕事の幅としては、かなり限定的になります。
お店の中には、美容師免許を持っていないと、就職すらできないところもあるほどです。
つまり、美容師として働くなら、美容師免許を持っておいて損はありませんよ。
美容師アシスタントのキャリア
アシスタントとして仕事をするなら、せめて一人前の美容師になりたいと思っている人が大半でしょう。
一人前とは、上記で紹介したスタイリストです。
スタイリストになるためには、ある程度のキャリアがないといけません。
どんなキャリアを積めばいいのか、具体的な流れを覚えておくと、アシスタント時代に苦労してもモチベーションを維持できますよ。
美容師アシスタントからスタイリストになるまでの流れ
アシスタントからスタイリストになるためには、ある程度の技術力が必要になります。
お店によっては、技術力を調べるために、独自の技術テストを用意しているのが一般的です。
そのテストに合格し、最終的に1人でカットできるようになればスタイリストになれます。
- シャンプーやトリートメントなどの合格
- ヘアカラーの基礎、アイロンやヘアセットなどの合格
- ヘアカラーの応用技術、パーマや縮毛矯正などの合格
- 着付けやカットの基礎などの合格
- カットの応用などの合格
あくまで上記は一例です。
流れはお店によって違いますが、スタイリストになるためには、全てのアシスタント業務が1人でクリアできないといけません。
毎日アシスタントが夜遅くまで練習しているのは、技術を覚えるため。
スタイリストになりたい気持ちが強い人が、テストに合格している印象ですね。
美容師アシスタントから美容師になるまでは何年?
結論から言ってしまうと、アシスタントがスタイリストになるための期間は、お店によってかなり違いがあります。
美容師側が、お店選びの目安として確認しておくといいでしょう。
早くスタイリストになってほしいとお店側が思っているのなら、2年ほどでスタイリストになる美容師もいます。
それに対して、じっくり美容師を育てたいと思うお店は、5年以上かかるのもザラです。
美容師アシスタントの給料事情
美容師というのは、そもそも給料が低いとされています。
それなのにアシスタントだと、どれほどの給料なのか気になるところ。これから美容師を目指そうとしている人は要チェックです。
美容師アシスタントの平均年収
美容師の平均年収は、300万円前後とされています。
日本の平均年収は400万円ほど。美容師の給料が少ないのが、これだけでもわかるでしょう。
じつは平均年収が低いのは、美容師アシスタントの給料が極端に低いのが原因です。
特にお店に入ったばかりの美容師だと、最低賃金ほどの給料しか出ないところも少なくありません。
人によっては、1か月分で20万円より少ない人もいるくらいです。
年収に換算すると20万円でも240万円。必死で練習している人が多いのも納得できるでしょう。
その代わりに、アシスタントからスタイリストになれば、自分の頑張り次第で給料がアップできます。
通常のスタイリストが、年収360万円ほど。そこからたくさんのお客様から指名をもらえば、トップスタイリストになれます。
ここまで来れば、600万円ほどの年収になれる人も少なくありませんよ。
美容師アシスタントのボーナス・昇給
美容師の年収が低いとされているのは、このボーナスに問題があります。
結論から言ってしまうと、美容師の平均的なボーナスの金額は5万円前後。日本の平均と比べて、かなり少ないのがわかるでしょう。
その代わりに、美容師の多くは能率給。成果報酬型の給料体型をしています。
多くのお客様から指名をもらえば、その分給料が増えていくため、昇給しやすいお店も少なくありません。
もちろん昇給をするためには、お客様の出入りが多いお店を見つける必要があります。
働き方次第なので、給料を気にして美容師を諦めるのは早いですよ。
美容師アシスタントはきつい?辞めたい人も多い理由
美容師は、ここ最近だときついと評判で、あまりいい印象を受けない人もいるでしょう。
どのようなところがきついのか、代表的な意見をまとめてみました。
これを見て、そこまできつくないと感じるのなら、あなたは美容師の素質がありますよ。
労働時間が長い
美容師がきついのは、労働時間が長いからです。
営業時間中は、お客様が来店するリスクがあるため、必ず店内にいる必要があります。
それに加えて、営業時間後は練習しないといけません。
アシスタントは技術を覚えないと昇給しないので、「営業時間+練習時間=労働時間」という構図に嫌気がさして辞める美容師が多いわけです。
雑務が多く忙しい
労働時間中が暇なら問題ないでしょう。
ところが実際に美容師として働いてみると、雑務が異様に多く感じてしまいます。
- 予約が入れば来店までにカルテなどの準備
- 来店後はお客様をセット面へ案内
- 案内後に雑誌の用意
- スタイリストのサポート
- お客様が席を立てば髪の毛などの掃除
- 退店後は後片付け
あくまで上記は、お客様が来店した時の雑務です。
お客様が来店しない時も、タオルの洗濯や後片付け、カルテなどの整理など、雑務を挙げだしたらキリがありません。
給料が安い
美容師業界は、成果報酬型のお店が少なくありません。
アシスタントはお客様に髪を触らせてくれないため、必然的に給料が増えないため、やりがいを感じない美容師が多いわけです。
最低賃金で働きつつ、営業時間後に練習し、夜遅くに帰って寝るというルーティンが日常になります。
どこかのタイミングで給料に不満を持ってしまえば、その時点で辞めてしまう人が後を絶ちません。
休日がまわりと合わない
一般的な仕事の休日は土日祝日ですが、美容師はお客様商売です。
月曜日や火曜日など、平日が休日となるため、まわりの人たちと休日が合わず、1人でプライベートを過ごす日も少なくありません。
そこから孤独を感じて、美容師を辞めてしまう人もいるので、寂しいと感じやすい人は要注意です。
身体的負担が大きい
シャンプーをすれば腰が痛くなり、手が荒れてボロボロになる人もたくさんいます。
もちろん薬剤を扱っているため、その刺激によって肌荒れも起こり、アイロンに触って火傷をする人もいるでしょう。
このように仕事内容を見ればわかるように、体の負担が大きいのがわかるはずです。
その上、アシスタントは夜遅くまで練習をしないといけません。
体力に自信がない人も、注意して美容師として働くようにしてくださいね。
美容師アシスタントを経てスタイリストを目指すために
美容師アシスタントは、どんな凄腕スタイリストであっても、誰もが通る道。ここを乗り越えないと、美容師人生を楽しません。
どのように先輩美容師が、アシスタント時代を乗り越えたのか、知りたい人も多いでしょう。
そこでスタイリストを目指すための方法について、まとめてみました。
つらいときも「みんなが通る道」と心得る
美容師という仕事は、そもそもつらいと感じやすい人が多くいます。
特にアシスタント時代は、先輩から怒られながら、仕事を覚えていくタイミング。スタイリストになる前の段階から辞めてしまう人も少なくありません。
しかし誰もが通り道。そう考えて乗り越えましょう。
もし先輩から怒られる頻度が多いのなら、やり方を見直す努力をするなど、ストレスが溜まる部分を減らす努力をしてみてください。
- 怒られた内容を毎日メモする
- 素直にアドバイスをもらった内容を実践する
- わからない部分は積極的に聞く
上記はあくまで一例です。
つらい時は誰でもあるので、信頼できる先輩に相談してみましょう。
割り切りも大切
美容師アシスタントは、理屈ではわからないほど、つらいと感じる人は少なくありません。
上記でも方法論を紹介しましたが、それでもつらいと感じる度合いは変わらない時もあるでしょう。
そのため、つらい時期と割り切ってしまうのも大事です。
誰でも通る道だからこそ、気持ちは後にして前に進まないと技術は進歩しません。
技術職でもある美容師という仕事は、ひたすら努力したら報われる仕事。気持ちを割り切って行動あるのみです。
技術とコミュニケーション能力をスタイリストから学ぶ
美容師は技術職と同時に、接客力も磨く必要があります。
しかし、営業時間は仕事に集中し、夜は技術の練習。全てのスキルを磨く時間が足りないと、誰でも感じるはずです。
そこで少しでも能力を高めるために、営業時間中も先輩スタイリストからスキルを盗んでしまいましょう。
どんな美容師も1日中仕事をしているわけですから、時間を有効活用してください。
環境がつらいときはほかの美容室への転職もあり
ここまでスタイリストになるためのポイントを紹介してきましたが、流石に精神的につらい時期を乗り越えられる人はそう多くありません。
どうしても無理だと感じた人、変化が望めない環境なら、美容師を変えてしまいましょう。
美容師は人が関わる仕事だからこそ、お店によって雰囲気が全然違います。
あなたに合った美容室を見つけて、楽しく仕事ができるように模索してみてください。
美容師アシスタントは誰もが通る道!乗り越えた人は一生使えるスキルが身につく!
美容師というのは、技術職だけでなく、接客能力も磨かれる職種です。
その代わり、スタイリストになる前のアシスタント時代に辞めてしまう人が少なくありません。
給料が安くて、仕事量も多く、帰る時間も遅くなるといった環境の悪さが原因でしょう。
とはいえ、技術職は1度覚えると、一生使えます。
接客能力が高くなると、どんな職種でも役立つでしょう。
一生モノの仕事でもあるので、アシスタント時代を乗り越えた人は少なくとも損をしません。
美容室を変えてでも、スタイリストを目指して、楽しく仕事ができるようにしてくださいね。
美通販.comで
あなたも仕入れ価格でお買い物
美通販.comは美容機器から美容用品、サロンで扱う商品はもちろん、食品から便利品までなんでも揃う通販サイト。お客様の多くは美容関係者さまですが、クリニックやトリマー、マッサージやネイルなど講習を受け、ディプロマ等があれば会員になれます。ぜひお問い合わせください。サロン登録でも、個人登録でもOK!!
ヘアケア商品や化粧品などサロン専売品が卸値で買えるのでとってもお得。