ヘアカラーの需要は、年々伸びています。若者向けのビビットなヘアカラーや透明感のある外国人風カラーの他にミセス層に向けての明るい白髪染めなど、ハイレベルな技術が必要です。そこで注目されているのが、ヘアカラーをメインで担当するカラーリストの存在。今回は、カラーリストになるための必要な知識や気になる待遇面を解説していきます。
ヘアカラーリストとは
カラーリストとは、美容室の業務でカットやパーマ以外のヘアカラーのみに特化して施術するスペシャリストのことです。
10年前までは、まだまだ浸透していなかったですが現在ヘアカラーの需要の拡大と共に伸びているポジションと言えます。美容師の中には、スタイリストではなくカラーリストを目指して美容師になる人も増えているくらいです。
では、カラーリストの仕事内容やカラーリストになるために必要なものとは何でしょうか?
ヘアカラーリストの仕事内容
ヘラカラーリストの仕事内容は、以下のようになっています。
- カウンセリング
- カラー剤の調合
- カラー施術
カラーリストは、ヘアカラーをカウンセリングからカラーが全て終わるまでを担当します。まさしく、ヘアカラーのみに特化したスペシャリストです。
お客様からするとヘアカラー専門の美容師がいるということで安心を生みます。今では、インスタグラムの浸透でお客様一人ひとりが世界の美容師とつながっている状況です。その結果、年々ヘアカラーのオーダーのレベルも上がってきています。
私もカラー比率が80%近くありますが、お客様の半分はブリーチを使った特殊カラーです。私がアシスタントの頃には、ブリーチをされるお客様はほんの一握りしかいなかったので一気にブリーチの需要が高まっていると言えます。
その結果、スタイリストではレベルが上がりゆくヘアカラーの対応が難しくなり、カラーリストが増えていったのではないでしょうか。
ヘアカラーリストとしての待遇面
カラーリストの待遇面ですが、全国平均でスタイリストの年収が317万円に対してカラーリストの年収が329万円でした。金額的には、スタイリストとカラーリストの給料面はほとんど同じくらいです。
参考:カラーリストの仕事の年収・時給・給料情報|求人ボックス 給料ナビ
ただ、大型店ではない個人店だとカラーリストの待遇はスタイリストと同等か、アシスタントとスタイリストの中間くらいの場合が多いようです。
現在、美容室は低料金店や専門店などいろんな形態で展開されています。カラー専門店などでは低料金化が進んでおり、リタッチが2,000円以下という店もあるくらいです。
美容室の中では、アシスタントという役職だとお客様から「見習い」のイメージが強く感じるため、カラーリストというふうに呼んでいる店舗もあります。美容室の形態や各々の美容室でのポジションも違うため、カラーリストの待遇には美容室によって違いが出てきているのが現状です。
ヘアカラーリストになるには
カラーリストになるための特定の資格はありません。極論、美容師という資格をもっていれば誰でもカラーリストになれます。ただ、カラーリストになるには働いている美容室との兼ね合いが非常に大きいです。
多くの美容室がスタイリストやアシスタントの求人をかけますが、カラーリストの求人をかけません。美容室のオーナーからすると、スタイリストやアシスタントがいないとカラーリストがいてもお店が回らないからです。
もし、美容学校時代からカラーリストになることを目標にしている場合だと、就職できる美容室は限りなく少ないと言えます。
そもそもカラーリストは、ほとんどが一度スタイリストになってからカラーリストという道を選んでいる場合が多いです。カラーリストを目指している人は、先にスタイリストになったほうが早道かもしれません。
ヘアカラーリストに資格は必要?
先ほども説明しましたが、カラーリストには資格は必要ありません。ただし、もっていたほうが権威性が増すのでカラーのために必要な資格の取得は大事だと思います。
主な美容師に活かせそうな資格はこちら。
- パーソナルカラー
- ヘアケアマイスター
- 色彩学
資格が取得できなくても、取得するまでに多くの時間を使って勉強をするので、受けてみる価値はあると思います。
私の経験上ですが、ヘアカラーのカウンセリングを取るときに、自分なりにヘアカラーの理論があると目安になるので非常にやりやすいです。自分の中のカウンセリングの軸を作り、それに沿ってお客様との話を進めていくことをおすすめします。
よく見られる、悪いカウンセリングが「トレンドばかり提案するカウンセリング」です。今の情報化の時代は、トレンドならネットで調べればすぐに出てきます。トレンドのみのカウンセリングだと、少し説得力に欠けるので論理的な専門知識が必要だと感じます。
特に、色彩学などは勉強すると色の彩度や明度の力関係がわかるのでおすすめです。
ヘアカラーリストに必要な知識
カラーリストに必要な知識は、膨大です。当たり前ですが、働いている美容室のカラー剤の特徴を全て把握しておかないといけません。
たまにカラーリストは、「スタイリストに比べるとカットもパーマもしなくていいから楽」だと思われることがあります。しかし、ヘアカラーに関しては開発者レベルまで掘り下げて知っておかないといけないので、多くの知識が必要です。基本としてお客様の髪質とカラー剤の特徴を把握しないとカラーリストとしては成立しません。
そもそも、カラーリストとはいえカットの知識ももっておかないとカラーリストにはなれません。なぜなら、現在はインナーカラーやグラデーションカラーのようなカットと組み合わせたカラーが人気だからです。
インナーカラーやグラデーションカラーを作る場合は、カットの構成を理解していないと染める部分を間違ってしまいます。縮毛矯正にカラーをするときだって、縮毛矯正を理解していないとカラーがうまく染まりません。つまり、カラーリストは全ての知識とより深いカラーの知識が必要になるポジションということです。
ヘアカラーリストとして活躍するための勉強法
カラーリストとして見つけて欲しい能力は、以下の2つです。
- 髪質の見極め方とカラー剤の特徴を把握する
- ヘアカラーの提案力
この2つは、私もかなり意識しているので参考にしてもらえると嬉しいです。
髪質の見極め方とカラー剤の特徴を把握する
カラーリストとして髪質とカラー剤の特徴を知るには、意外かもしれませんが「カルテ記入」がおすすめです。正直な話、新規のお客様の髪をぱっと見ただけで髪質を判断するのは極めて難しいと思います。
私は、直感やひらめきよりもカルテ記入による圧倒的に貯めたデータが大事だと思っているタイプです。お客様を染めてみて、思ったような色にならないと感じたらカラー剤のレシピと原因を書き留めましょう。あとは、この行為を何度も繰り返していきます。そうすることによって、自然と難しい髪質にも対応ができるようになります。
カルテ記入は、毎日すると思うので、しっかりと書き込みましょう。
カラーリストの提案力
もうひとつ勉強をして欲しいのが「提案力」です。お客様は、カラーリストとカウンセリングするときに何かしらの期待をしています。いつものスタイリストとは違う何か新しい提案をしてくれるんじゃないかと思って髪の相談をします。そのときに、お客様に対して提案力がなければカラーリストとしてはダメです。
例えば、毎回のように暗い白髪染めをしているお客様に対して、暗い白髪染めを提案しても新鮮さがありません。いつもの白髪染めにハイライトを入れたりして、明るい白髪染めになるように新しい提案をしていくことが必要だと思います。
提案力を磨く方法としては「後輩教育」をすると良いです。後輩に技術指導をするだけで、物事の説明の仕方が上手になります。私のようにフリーランスや一人サロンのオーナーさんは、YouTubeなどに動画をアップすると良いです。不特定多数の人に動画を通して説明するのは、想像以上に難しいので勉強になります。
カラーリストは必要不可欠なポジション
もう、かつてのような「カラーはカットのできないアシスタントの仕事」という時代は終わりました。現在、ヘアカラーの需要の拡大と共にカラー専門店のみならずブリーチ専門店なども増えてきています。ホームカラーの進化に伴い「ワンメイクのカラーや黒染めならセルフでいいや!」みたいな感じのセルカラー人口も増加しています。
YouTubeにもセルフカラーのやり方を一般の方はもちろん、プロの美容師さんまでアップする時代です。その中で、ハイライト、インナーカラー、グラデーションカラーのようなセルフでは難しいカラーに対応できないと客離れの原因になる恐れがあります。
特に、ヘアカラーに対して力を入れてきた美容室はトレンドを追っていかないといけません。美容室は、アシスタントやスタイリストの育成に加えて、カラーリストのようなスペシャリストの育成もする時代なのかもしれません。
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