履歴書にも書ける美容業界唯一のビジネス資格である「ビューティー・コーディネーター」はご存知でしょうか。取得しておけば美容業界で働くときに有利となってきます。今回はビューティー・コーディネーターの仕事内容、ビューティー・コーディネーター検定を受験する際に必要な受験資格や出題内容など知りたい情報を詳しくお伝えしていきます。
Last Updated:2021/4/6
ビューティー・コーディネーターとは
ビューティー・コーディネーターは、「ビューティー・コーディネーター」という資格を所有しているサロンスタッフのことを指します。どのような役割をもつ資格なのかと言うと、サロンで施術を行う前にお客様に“どのようなスタイルを希望しているのか”をお伺いする、カウンセリングの正しい知識を所有している証明となる資格です。
お客様からよくお聞きする声に、「自分の希望通りのスタイルにならなかった」というものがあります。特に初めて訪れたサロンだと緊張してうまくスタイリストに自分の希望を伝えられず、イメージとは違う仕上がりになってしまったというケースも珍しくありません。
そこで、施術台に座る前のカウンセリングルームで、リラックスした状態で専門の知識を活かし、お客様の要望や似合うスタイルなどをカウンセリングしていくのがビューティー・コーディネーターの仕事となります。
それだけではなく、スタッフ全員の心をひとつにまとめるサロン・ホスピタリティ的役割も期待されています。お客様に快適な時間を過ごしてもらうことを主目的に、サロンの雰囲気や環境作りを率先して行い、スタッフのみんなを引っ張っていくこともビューティー・コーディネーターの役割のひとつとなるのです。
公式サイト:「ビューティー・コーディネーター」とは|NPO法人日本ビューティー・コーディネーター協会
履歴書にも書ける
ビューティー・コーディネーターの資格は履歴書に書くこともできる資格となります。
実は、ビューティー・コーディネーターの資格は美容業界の中で唯一のビジネス資格となり、取得しておくと就職の際に有利になったり、キャリアアップの助けとなったりするのです。美容師以外の美容系の資格はなかなか履歴書に書けるものが少ないので、取得しておくとセールストークにも使えて、美容業界で働く際の手助けとなってくれるはずです。
ビューティー・コーディネーター検定
ビューティー・コーディネーターがどんな資格なのかわかったところで、検定の中身についても見ていきましょう。
ビューティー・コーディネーターは3つの級に分かれています。3級から始まって、2級、1級と難易度が上がっていく仕組みになっています。
受験資格は、3級であれば美容業界に携わっていなくても受験することが可能です。例えば「将来美容に携わった仕事がしたい」と願う現役の高校生が受験することもできます。
ただし、ビューティー・コーディネーターの資格証明書を受け取るためには、2級の試験に合格をしている必要があります。せっかく受験するのであれば、履歴書に書けるようにしておきたいですよね。3級を取得したら、そのまま2級取得へと進んでいくことがおすすめです。
2級取得となると、受験資格も出てきます。
- ビューティー・コーディネーター3級合格者
- 美容師免許保有で現在美容室で勤務をしている方
のどちらかに該当していることが条件となっています。
3級取得から1年以内に2級を取得することが資格証明書発行の条件にもなるので、できるだけ早く2級へと進んでおいたほうが安心です。
ビューティー・コーディネーター検定の試験内容は?
ビューティー・コーディネーターの試験内容は、2級までは筆記試験が中心となります。1時間の試験時間の中で、30分は筆記試験、5分が事前審査を兼ねた電話応対、20分が実技試験となっています。
大阪、広島、東京、福岡、名古屋と全国5都市で開催されていますが、年に1回ずつしか開催されなかったり、1回の試験の定員が20名程度だったりと小規模な試験になるので、受験を希望している場合は早めに申し込むようにしておきましょう。
気になる試験内容についてですが、ファッションやネイル、メイクの知識を中心に出題されます。
他にもサロンで働く上で必要なビジネスマナーやサロンを運営していくための能力を問われる出題などもありますが、受験する級によって内容が変わってくるため、詳しくは以下の項目でお話ししていきます。
参照:検定制度について|NPO法人日本ビューティー・コーディネーター協会
ビューティー・コーディネーター3級
試験を通して業務の基礎を身につけ、サロンの顔としてお客様に適切な対応ができるようになることが求められています。
合格率は80%と高いので、難易度もそれほど高くないと言っていいでしょう。
- ビューティー・コーディネーター学科試験
- 業務の基礎を身につけており、サロンの顔としてお客様に適切な対応ができる。
- 正しい言葉遣いと丁寧な接客でお出迎え
- ビューティの基礎知識をもつ
- 美容業界の基礎知識(カット・カラーなど)をもつ
受験対象者 | レセプショニストはもちろん、美容師、ネイリスト、美容学校生、将来美容業界に進みたいと考えている高校生、美容業界以外の一般社会人など。 |
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試験内容 |
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合格基準 | 原則として60%以上の得点をもって合格 |
受験料 | 3,300円(税込) |
ビューティー・コーディネーター2級
試験を通して、実際のカウンセリングでビューティ・コーディネーターの知識を応用できるようになることが求められています。
合格率は40~50%と、徐々に難易度も上がってきています。
- ビューティー・コーディネーター学科試験
- ビューティ・コーディネーター知識を、実際のカウンセリングに応用できる。
- 幅広いお客様にカウンセリングができる
- 豊富な美容知識+お客様への提案力
- 店販商品を自ら販売し、生産性を上げる
- スムーズなクレーム対応ができる
受験対象者 | 3級合格者、又は美容師免許を保有し、美容サロンでお勤めの方。(※2016年度試験より変更) |
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試験内容 |
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合格基準 | 原則として60%以上の得点をもって合格 |
受験料 | 5,500円(税込) |
ビューティー・コーディネーター1級
合格率は15~20%と、かなり絞られているので、高い技術と知識を所有していることが合格への条件となってきます。
- ビューティー・コーディネーター学科試験
- 大人女性に健康な身体の知識をベースにした美容の提案ができる。
- これからのビューティー・コーディネーター像を知る
- ヘアケア、スキンケアの知識を得る
- 身体の仕組みを知って健康づくりの提案ができる
- ストレスの解放からの美容の提案
受験対象者 | 2級合格者対象。ビューティー・コーディネーター実務経験者、フロアマネージャー、店長。 |
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試験内容 |
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合格基準 | 原則として60%以上の得点をもって合格 |
受験料 | 9,900円(税込) |
ビューティー・コーディネーターの勉強方法
ビューティー・コーディネーターの勉強の仕方は、検定を主催しているNPO法人日本ビューティー・コーディネーター協会から発行されている認定テキストを購入するのがおすすめです。それぞれの級ごとに発行されているので、自分の学びたいことをピンポイントで学習することができます。
また、過去問題も別巻にて発売されているので、あわせて購入しておくとさらに安心できますよ。認定テキストや過去問題集を購入したい場合は、協会のホームページより申し込むことができるので、そちらをチェックしてみてください。
公式サイト:JBCA認定テキスト|NPO法人日本ビューティー・コーディネーター協会
それぞれ巻末の付録として、「身だしなみ総合チェック」「電話応対事例集」「お客さまとの接点を強化するためのコミュニケーション」などサロンで働く際にも役に立つ内容が収録されているので、知識としてしっかりと覚えて自分の中に落とし込んでおくと役に立つでしょう。
資格取得後はどう働く?
ビューティー・コーディネーターの資格取得ができたら、具体的にどのように仕事へと活かしていけるのでしょうか。
この記事の冒頭でもお伝えしたように、お客様とサロンの架け橋になる役割をビューティー・コーディネーターには期待されています。
施術をする前に、お客様にカウンセリングを行って、お客様の理想とするスタイルや現在の悩みなどを聞き出し、またお客様が不安にならないように施術前にお客様の希望のスタイルにするためにはいくらぐらいかかるのかを算出して説明することなどが仕事となります。
ビューティー・コーディネーターが担当するのはヘアだけではなく、ヘッドスパやネイル、アイラッシュ、美容アイテムなど美容に関連したことなら全てに該当することとなります。そして、施術を行ったら終わりではなく、施術後のお客様へのアフターフォローも務めることになります。
施術前から施術後まで、トータルサポートをして、お客様に満足してお帰りいただくのがビューティー・コーディネーターの大切な仕事となるのです。
実際にあったビューティー・コーディネーターの例では、サロンを訪れるお客様にまだ目を離せない小さなお子様連れが多く、せっかくサロンに来てもリラックスできない状態であることに着目し、小さなお子様が楽しめるような折り紙セットやお絵描きセットを導入したというケースもありました。
お子様も楽しめるアイテムをサロンの中に用意したことによって、お子様が集中して遊んでいる間にお客様の施術をしたり、お好みの飲み物を出すなどして少しばかりのリフレッシュの時間を作り出すことに成功したのです。
このように、お客様の気持ちに寄り添って考えることによって、お客様が何を求めているのかを見極めることがビューティー・コーディネーターに求められています。
カウンセリングで再来店率もアップ!
サロンのリピーターとなってもらうためには、施術の腕がいいことはもちろん、カウンセリング力も実は大きく関係してくるのです。
お客様が「いいサロンだった」と感じる場合、サロンが心地のいい空間だったかどうかもポイントとなります。安心してサロンでの時間を過ごすことができたという精神的充足があれば、お客様は「またこのサロンを訪れよう」という気持ちになります。
ということは、ビューティー・コーディネーターがいかに上手くお客様と関わることができるかどうかで、サロンの売り上げも変わってくるということになるのです。
ビューティー・コーディネーターは、お客様と直接お話しする機会も多く、非常にやり甲斐のある仕事です。ぜひ、ビューティー・コーディネーターの資格を活かして、サロンの集客力アップへと努めていきましょう。